フランス・イタリアのシトロエンSMクラブの重鎮であるイタリア人のGiuseppe Bazan(ジョゼッペ・バザン)氏はsphereの頭頂キャップを外して窒素ガスをリチャージできるアダプターを発明した方としても知られています。銀行員だったBazan氏は1983年にDS23パラスを愛車としていましたが、エンジンがブローし、エンジン載せ替えも考えたのですが、ディーラーからSMを勧められて試乗して即決しました。しかし、すぐにサスペンションが堅くなり、それが窒素ガスの不足から来ることが分かりました。そこで、ツールを作ってダイバー用のボンベを使ってsphereに空気を充填しました。それで車の乗り心地はよみがえりました。それをディーラーに見せたら、サンプルのsphereの製作を依頼されて数個の充填可能なsphereを試作しました。それが評判になり、ある1人の青年がCXのsphereにガスの充填を頼みにやってきました。彼はこのsphereを気に入り、協力したいとBazan氏にビジネスのオファーをしました。Bazan氏は銀行家という地位を捨てる気がなかったので、代わりにその青年Carlo Lazzari(カルロ・ラザリ)さんがガス充填可能なsphereを販売し始めました。そして、Carlo LazzariさんとBazan氏の妻のMella(メラ)さん名義で会社Tecnosir(テクノズィラ)を設立しました。そして1986年5月に特許を出願しました。
現在、Tecnosir社のsphere用ガス充填キャップアダプターにはDSやSMの分解式sphere用のValprex 2000-7DSと溶接一体型球体sphere用のValprex2000-9とsaucer sphere用のValprex2000-7C5があります。
私が一番興味があるのがValprex2000-7C5です。



ただし、saucerタイプのsphereの場合元々頭頂キャップがないので、sphereの頭頂部にドリルで穴を空けて、タップでねじを切る必要があり、腕に覚えがある人でないとかなり難しく上級者やセミプロ向けです。
その作業動画は「https://www.youtube.com/watch?v=umnd9BWlL1U」にあります。
字幕はスペイン語ですが、字幕なしでも作業の困難さが伝わってきます。そこで、完成品を購入してみたいと思った方は下記サイトをご覧ください。こちらもスペイン語です。
「https://www.clubxantia.es/d/90-kits-de-esferas-multicapa-recargables-originales-citroen-para-xantia-xm-y-bx」
あくまでも個人売買の範疇なので信用度は?ですが、replyを見ると高評価のようです。確証はありませんが、どうもスペインのXantia Activaクラブの関係者のようです。(activaclub.es) .esはEspana(スペイン)の意味
最後になりますが、ガス充填可能なsphereを使用する主な理由ですが、主に
①ガス圧をカスタマイズすることによる乗り心地のチューニング
②ガスを最充填することによるsphereの再生・再利用による節約
③saucer sphereなど多層膜sphereの旧車へのコンバート
特に③について、ただ単にガス圧を変えて、サスペンション各部位に使用可能にするだけでは不十分でsphereのマウント部分の変換アダプターが必要となります。これは下記サイト(activa-club.fr)で購入可能です。
「https://www.activa-club.fr/ActivaShop/fr/accueil/29-adaptateur-sphere-vers-soucoupe.html」


本投稿は特定の会社を宣伝する意図は全くありません。お国柄なのかフランス・イタリア・スペインなど南欧のシトロエンクラブが車維持のための色々なパーツの開発にも関与していたり、その活動からビジネスを立ち上げたりする方もおり、また、それらの便利なグッズが購入可能であるということをシェアしたかったのです。また、参照URLもウイルス対策の一環であえてハイパーリンクにしてありません。文章の誤りや問題点等ございましたら、ご指摘ください。
出典:xantia007.free.fr, tecnosirstore.com, activa-club.fr, clubxantia.es, activaclub.es
アダプターをつけて旧車にソーサー型の新型sphere を付けるとは素晴らしい発想ですね。僕も旧車を持っていればすぐにでも試してみたいものです。
kunny様
いつもコメント感謝です。replyが大幅に遅れてすみません。大変失礼しました。陳謝です。さて、日本にも旧型シトロエンを日常使いにモディファイした車の提供を売りにしている会社があるようですが、saucer sphereを旧車に取り付けるなどsphereのこういったモディファイはあまり聞きませんね。文化・発想の違いでしょうか。国が違えばなんとやらで。興味深いものですね。
必要は発明の・・・でリチャージ出現の背景が勉強になります。
Xan当時5人程集まって リチャージキット/Valprex2000-9/小型窒素ボンベ等入手して実行して居りましたが 現在でも銀球を旧車へも転用可能とは驚かされますネ。
duca99c5様
いつもコメント感謝です。reply大変遅くなりすみませんでした。陳謝です。さて、技術系・メカ系のネタ好きな当方です。機会がありましたら、いろいろ教えてください。前に教えていただいたボルトの固着防止のためのモリブデン塗布も非常に参考になりました。整備工場やディーラーでもボルトが外れる・外れないは作業時間に大幅に影響を与えるため頭痛の種だそうです。私の愛車の新しい主治医様は超低温スプレーをボルトにスプレーしてから浸透剤をスプレーしてそれが浸透するのを待ってから「えい、やーっ」と外すそうです。今回はsphereネタでしたが、フロントサスのsphereはともかくリアサスの年数を経たsphereなど錆びついていて外すのはかなり難儀ですね。
cong様
貴重な情報をありがとうございます。ハイドロ車に乗り続けるためにsphereの確保は欠かせませんね。当方Xmもsphere全交換から30,000kmを越え、交換の時期を迎えています。新型sphereがXmにも使えるとあらば、選択肢が増えて喜ばしいことです。
atsucx25様
返信が大変遅れて陳謝です。当方、Webメールで登録しているため見落としが多く、ご迷惑をおかけしております。Xmを維持されておられるのですね。大尊敬です。私は維持しきれずに手放してしまいました。フランスのHPを見ると結構Xantiaのコアなマニアは健在みたいな感じを受けます。ブレーキやパワステもハイドロで動く最後のハイドロシトロエンですし、sphereのモディファイもできて、デザインもXmぽくってイケてますし、好きになる人の気持ちよく分かります。また、コメントお待ちしております。ありがとうございました。