レモンマン

いまさらですが、シトロエンの名前の由来はご存じですか?

『シトロエン  革新への挑戦』(ジョン・レイノルズ著 二玄社)を読んでいると、コラムでそれに少し触れられていたことから思い返し、CCJの小冊子などを引っ張りだして、少しまとめてみました。

アンドレ・シトロエンの父はオランダ人、母はポーランド人で、父方の祖先はアムステルダム界隈で植民地から送られてくるレモンやトロピカルフルーツを扱う商人だったことから、その商売にちなんで「Limoenman(レモンマン)」と名乗っていたそうです。

その後、オランダ政府が国民に姓名を定めて登録するということになり、そのときLimoenから、おなじくレモンを意味するCitroenと称するようになったそうです。
アンドレの祖父の代が、Citroenを名乗った初代のようです。

試しにGoogle翻訳に日本語で「レモン」と入れ、オランダ語に変換すると「citroen」と出てくるのはワォ!となりました。

レモンの商いで一族は財を成し、やがて宝石商など幅広い業種を手がけて裕福なファミリーとなって繁栄を広げていったようです。
その一員であった父も結婚し、二人してアメリカかフランス、いずれかへ行こうと迷った際、妻の実家であるポーランドに近いという理由からフランスになったのだとか。
こうして1878年、パリで生まれたのがアンドレだそうです。

両親のフランス移住後、フランスの流儀に従って「e」の上にトレマという・・がつくようになったことで我々の知るシトロエンとなり、これによってシトロエンのアクセントは、頭ではなく「エンの部分」につくようです。

そんな目で見てみると、レモンの形はどことなくスフィアのようにも見えるから不思議ですが、アンドレは1935年にこの世を去っており、ハイドロニューマティックとの関わりはありません。DSの登場はその20年後の1955年、その少し前に試験的にトラクシオン・アヴァンのリアにハイドロが装着されたモデルが作られ販売もされたようで、停めているとリアだけが下がってくることで区別がついたとか。ユーザーからの評判は上々で、割高であったにもかかわらず販売数は標準モデルを上回るほどで、この「後ろだけハイドロ」はかなりの数が出回っていたようです。

ずいぶん昔、友人から「シトロエンって、レモンのことかなぁ?」と言われて、「はぁ? ぜんぜん違うよ!」と一笑に付した覚えがありますが、なんと、それが正しかったわけです。
子供のころ、リボンシトロンというジュースがありましたが、調べると今もあるようで、なんだか無性に飲んでみたくなりました。
以上、NHKのファミリーヒストリーのようなお話でした。

レモンマン」への6件のフィードバック

  1. chiracさん
    へーっ、そうだったんですか? 確かに某nhkファミリーヒストリーのようで大変興味の持てる内容ですね。
    たしか中学生?だった頃テレビCMで簡単なアニメの女の子が 「リボンちゃん」 の呼び声にゆっくり飛んだり跳ねたりしていた様な・・・気がします。
    当時飲んだ記憶は無いのですが、ドカ田も飲んでみたくなりました。(笑)

  2. そうそう、リボンちゃんというスヌーピーに出てきそうなかわいいキャラクターがいましたね。
    まさかいまだにあるとは思いませんでした。

  3. 少しコメントが遅くなった感もありますが、ご容赦ください。
    レモンマンですか、さしずめシチリア辺りのレモンをフランスに輸入されたのですかね?オランダから地元に近いという理由でフランスに根をはやされた。アメリカだとシトロエンというクルマは産まれてなかったかもしれません。
    これも縁ですね。現代では既に物語になるようなエピソードは起こる事も少ないですが、創業者にはこの手の伝説は多いですね。
    創業時のポリシーやらコンセプトがどんどん薄れていくのは寂しいところではあります。
    余談ですが、リボンシトロンと言えば林寛子さんがCMに出ていたのを思い出しました。
    当時は瓶が主流でしたので近所の駄菓子屋でよく飲んでいたものです。

  4. 植民地から届く果物とありますから、おそらくアフリカあたりではないか?と想像しますが、はっきりとはわかりません。
    おっしゃるようにシトロエンはフランスという土壌抜きにはあり得ないクルマですが、アンドレは大量生産の方法など、当時のアメリカに自ら赴いて学び、強い影響を受け、そのための生産機械や特許なども購入しているようですから、アメリカという存在無くしても成立しなかったということは背後にあると思います。
    リボンシトロンは店頭では見ないのでネットで買うしかないですが、わずか数本に安くもない送料を出すのは抵抗があるし、だからといって箱買いするほど飲むつもりもなくて、結果動けていません。

    • Citron とCitroenのお話,興味深く読ましていただきました。確かにオランダ語ではレモンはCitroen と言うのですね。私もビックリしました。
      chiracさんのお話にはアンドレ・シトロエンの生涯の負の部分は出てきませんが、僕の記憶では、博打とアルコールが好きで、色々あって失意のうちに世を去ったと何かで読んだ記憶が有りますが僕の記憶違いかもしれません。この辺りの本当のことをChiracさんや誰か詳しいことをご教授頂けたらと思います。

  5. たしかに、アンドレ・シトロエンは先進的で、広告などの手腕にも優れ、事業家としての先見性や度胸もあり、その豪胆さの裏返しで事業にも遊びにもずいぶん大胆だったようですね。
    おっしゃるようにギャンブルにも興じていたようですし、やることが大胆なので、成功も失敗も大きな結果となったようです。

    どれも本からの受け売りですが、お許しがあれば追々書いてみたいと思いますので、お付き合いいただけたら幸いです。
    現在、SMに関することと、映画ネタを準備しつつありますので、近いうちに投稿します。

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