四国巡礼

2月の後半、たまたま友人と都合がついたので、四国を中心とした周遊にでかけました。
C5エアクロスでは長距離旅行を未だ果たせていなかったこともあって、急に思い立ちました。

コースは、おおまかなポイントでいうと次の通り
▶福岡→日田→由布院→別府→大分→佐賀関→(フェリー)→三崎→八幡浜→四万十→久礼→横浪半島→桂浜→高知→大歩危小歩危→新居浜→別子銅山→今治→しまなみ海道→尾道→広島→錦帯橋→下関→北九州→福岡

燃費が良いとされるディーゼルですが、実際どれくらい無給油で走れるかも注目でしたが、上記のコースでいうと終盤の広島までとくに不安もなく走ることができました。広島市内のスタンドまでの走行距離は830km、入った軽油は45.5Lでしたから、18.24km/Lという予想以上の結果となりました。
〜というのも、この830kmの内訳はありきたりな一般道と、広大な四万十エリア等を中心とした、うんざりするほど続く山間道が大半を占め、しかも燃費を意識した運転ではなかったからです。低燃費に貢献したであろう区間は高知から断片的に使った高速と、しまなみ海道の合わせてわずか100kmほどで、かなりの渋滞なども含んでいます。

もし高速道路を淡々と走れば、20km/L以上は確実な気配で、これなら無給油で東京まで行けるかも?と思いましたが、燃料タンクは52Lということを(今ごろ!)知りました。
実は今回の走り方では、15km/Lぐらいでタンクは60Lぐらいと踏んでいました。
Xmのころ、表向き90Lとされていたタンクは、実は100L入るとも言われていたことを思い出すと、隔世の感があります。

ちなみに、できるだけ高速を避けるのは、一般道でこそ普段目にすることのない珍しい景色や土地柄に触れられるところが面白いからで、これこそクルマの旅の醍醐味だと思っています。べつに意地を張って高速を避けているわけではないので、高速に乗ったほうがいいと判断した場合は迷わず乗ります。

映画翻訳家の戸田奈津子さんも、お若い頃からクルマの旅が好きですいぶん周られたらしく「高速乗っちゃダメよ」と仰っていましたから、膝を打つ思いでした。

途中、せっかくならご挨拶したい方もありましたが、なにしろ行きあたりばったりの旅ゆえ、失礼して素通りとなりました。
たまたまかもしれませんが、四国では一台もシトロエンを見かけることはありませんでした。
3泊4日、全走行距離1132km。

ついでに写真をご紹介。

↑ 初日は由布院の雄大な景色を堪能しながら別府〜大分へ。大分の佐賀関からフェリーで愛媛の三崎港へは約1時間の船旅。昼前、八幡浜の道の駅で1000円とは思えぬ海鮮丼を食べ、いざ四万十エリアを目指す。名にし負う四万十川の勇姿はもとより、四方を幾重にも取り囲む無数の山々の連なりにも驚かされる。これが延々数時間に及ぶのは、さすがに身にこたえてくるが、道の駅で小休止を挟みつつ、走りに走る。

↑ ようやく太平洋側に出たものの、長大な山間路走破に時間を費やし、新鮮な魚介類が食べられるという久礼大正町市場は到着したのが閉場5分前で惜しくも時間切れ。あきらめて高知へに向かいつつ、切り立った海岸の尾根沿いに延びる横浪半島のルートを走る。眼下に猛々しい断崖絶壁がいくつも現れては消え、その向こうは広大な太平洋が果てしもなく広がる光景が圧巻。司馬遼太郎が土佐人はいつも太平洋を見ているから考えの単位が違うというようなことが書かれていたのを納得する。夜は有名なひろめ市場で夕食としたが、様々な店がひしめきあって活気にあふれていたが、やや観光地化している印象も。

↑ 高知から北上し、徳島県山間部に位置する大渓谷、大歩危小歩危へ。スケールの大きさ、ゾッとするような深い緑をたたえる吉野川と、峻険な岩肌迫る周辺の景色に息を呑む。別子銅山、今治を経てしまなみ海道へ。しまなみは実は二度目だが、前回は雨と霧でなにも見えずただの有料道路だったから、今回はじめてその景色を目にする。今治〜尾道を60kmにわたり、島から島を飛び石のように橋と道で繋いで本州と四国を道路化するという壮大なルートで、その大構想が実現し運用されていることに圧倒される。瀬戸内の海と島々が織りなす美しい景色のめくるめく回廊は一見の価値あり。

追記;NEXCOが発行する無料地図は、結局これが最も使いやすく、ガイド本などよりよほど重宝します。
あんまり何度も畳む/広げるを繰り返すので、ついには折り目があちこち破れはじめ、帰りの山陽道SAで新しいのをもらったところ、ウラ面はなんと「DIXCEL-M」の広告で、エエエ!という感じでびっくりしました。
「止めるはディクセル スゴ止 ぴた止 綺麗」というコピーも笑えます。
そのDIXCEL-Mは、山坂を多く含む1000km以上を駆けまわってもダストの汚れはほぼ見当たらないのは見上げたものです。

3月お茶会

会場に着くと、混み合う駐車場の中に参加予定になかったXmがいて、久しぶりのKGさんが顔見せだけに立ち寄ってくださったようです。
私が19年3ヶ月乗って2016年にお譲りした車で、ちょっと座らせてもらったところ、「どうぞ乗ってきてください!」と快く勧めていただくのでためらっていると、気づけばリアシートにはSさんとKさんが乗り込んでいるし、ちょっとだけ近所まわりさせてもらいました。

最高のシート、悠然たる動き、パワーセンタリングなど、懐かしむより緊張が先に立つ、8年ぶりの短いドライブでした。
しかし戻ってきた時、パーキングブレーキのかけ方の手順などは自然と覚えていました。

もう一枚追加 ↓

関東お茶会

福岡では複数の参加者が発熱するなどしたため、中止となりました。
関東ではあいにくの雨模様だったようですが、無事に開催されたようで、写真を送っていただきましたのでご紹介します。

ducaさんお貸し出しによるスフェア圧力想定器とのこと

2024年

あけましておめでとうございます。
昨年はたいへんお世話になりました。

この目まぐるしい変化の時代、いつまでシトロエンをこれまでのように楽しめるのか想像もつきませんが、皆様のお知恵を借りながら、一日でも長くシトロエンライフを続けていきたいものですね。

CCQは本年4月をもって32周年を迎えます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

◆昨年末には巨匠がお亡くなりになるという衝撃が走りましたが、最近では巨匠のことをご存じないかとも多くおいでのことと思い、[CCQ小史]→[コラム]に[巨匠の思い出]として掲載しましたので、毎度の駄文でお恥ずかしい限りですが、よろしければぜひ御覧ください。
巨匠の人となりをわずかでもお伝えできれば幸いです。

◆CXオーナーのHさんによれば、今年はCXデビュー50週年とのこと。ああ、そうか!と思いさっそくCGの棚へ。

左は1974年10号、シトロエンのニューモデルとしてポール・フレールによる5ページに及ぶCXの紹介記事。右は翌1975年に日本上陸したCXが表紙となった8月号で奥にはDS。ちなみにこの号ではデビュー間もないポルシェ930ターボや、シトロエンのハイドロニューマティックサスペンションを採用したスーパーメルセデスの450SEL6.9の海外インプレッション、はたまた初代ゴルフの長期テスト開始など注目すべき記事が並んでおり、まだ免許もないのにやたらときめいていたあの頃が思い起こされました。

巨匠逝く

2023年も残すところ二週間ほどになりましたが、悲しい連絡がありました。

CCQ設立にあたり、最大最強の協力者であった巨匠ことTさんが、16日お亡くなりになったそうです。
享年89歳。

近年はすっかりご無沙汰してしまい、たまにお電話するぐらいでしたが、昔と少しも変わらぬ話しぶりであっただけに驚きました。
一度お訪ねしようと思いながら、ついにそれを果たせぬままになってしまったことは、なにより心残りです。

巨匠のご助力なくしてはCCQ設立もおぼつかなかったと思いますし、ひとかたならぬお世話になりました。
この原稿を準備するにあたり、アルバムやらなにやら、思い出すことがとめどなく溢れて心に迫りました。
謹んでご冥福をお祈りします。

(写真上)隠すように2CVの絵入りトレーナーを着ておられ、リクエストに応えて上着を半脱ぎに。すべてにおいて熱い情熱と強いこだわり、さらにはユーモアの心をお持ちでした。
(中)巨匠の代名詞でもあった初期型のGSクラブ-1015ccは新車から49年間ワンオーナー。写真の感じで白っぽく見えますが、ボディカラーは淡いクリーム色。ほかにDS23、CX、2CVなどシトロエンだけでも正確には把握しきれないほどで、ここ数年は日常の足として現行のC3を愛用されていたようです。主を失ったシトロエン達はどうしているのか…。
(下)ミーティング先で渓流釣りを楽しまれる巨匠。ジャンルを超えて何でもサラリとこなしてしまう自然体の達人でした。