蓼食う虫-2

タイヤを何にするか、これは車好きにとっては悩ましくも楽しいものです。
とくにアジアンタイヤは、低価格と性能をいかに見立てるか、独特な冒険的なワクワク感が伴います。

ゴルフではMOMOやナンカンも使いましたが、最後に履いていたハンコックのオールシーズンはとくに上質感もあり、韓国製タイヤは近年欧州車の新車装着タイヤとしても認められているというのも頷けるものがあります。
で、韓国製タイヤにするつもりだったのですが、この面での草分け的存在でもあるSさんによると、COOPER(アメリカのブランド、中国製)がちょうどセールになっているとのこと。

COOPERは、SさんのBMW325iに着けられたのがかなり上質な印象だったから、ならばとこれに決めました。

さっそく交換店の予約、当日はリアシートを倒し、使いふるしのシーツを広げ、届いたタイヤを積み込んでいざ交換へ。

作業は30分少々、ついにヒビ割れタイヤとおさらばして走り出したら、意外に硬目の印象で「ん!?」となり、、、帰宅してすぐ空気圧を計ったところ、概ね2.6〜7ぐらい。
C3の指定空気圧は2.3barで、冬場は走れば0.1ぐらい上がるからまずは2.4にして、あとは段階的に下げては試走を繰り返し、ついに2.0barにしたら、いくらか当たりが穏やかにはなったけれど、基本の骨太さみたいなものが残ります。

このCOOPER ZEON RS3-G1というのはスポーツ指向のようで、届いたときサイドウォールの硬さが少し気にかかっていたのが、やはりそのような乗り心地でした。
とはいえ、しっとりして回転もとてもきれいだから、これはハイドロ向きのタイヤではないか?と思ったり、、、

皆さんには釈迦に説法ですが、ハイドロはよりソフトな乗り心地を目指して柔らかいタイヤをつけると、はじめは好印象に思えても、だんだん期待にそぐわない結果となることはないでしょうか?
ハイドロが柔らかいタイヤの介入をあまり好まないのか、あのオイルとガスのもたらす官能的なフィールを引き出すには、むしろ腰のあるしっかりしたタイヤであるほうが適切なのではないか?と思ったことは一度や二度ではありません。
空気圧にしても同様、低めにすると逆にドスンバタンというフィールになるように感じるのですが、、どうでしょう?

…これは本題からも逸れるのでこれぐらいにしておきます。
C3の日本仕様のタイヤサイズは205/55R16、限定車等には205/50R17というのさえあり、これは初代C4カクタスも同様、ちなみに先ごろ発表された新型C3も205/50R17とのこと。

205/55R16は一回り大きいゴルフがまったく同じであったし、SさんのBMW325iでも指定サイズとのことで調べてみると、アルファロメオ166とかランチア・カッパとか、メルセデスEクラスとか、クラウンアスリートといった大型車の名がいくつも出てきて、これだけでもC3のようなBセグメントカーには過剰サイズではないか?という疑念は拭えません。

実はducaさんから早い時期にこの点を指摘され、すこし細いタイヤにしませんか?とやんわり提案されたのですが、私はけっこうオリジナル主義であるため耳をかさなかったことも、のちに悔やまれることになります。

過剰サイズではないか?と思われる症状としては、乗り心地がドタドタして車体が不必要に揺すられるし、なにより耐え難いのは路面状況によってチョロチョロとハンドルを取られることでした。

他の何を我慢しようとも、いやしくも前後にダブルシェブロンを戴いた車が、直進性に難があるのは容認できません。

それからというもの、空気圧と乗り心地/操縦性(安定性)の最良の妥協点を探るべく、来る日も来る日も空気圧を足したり抜いたりする日々を送りましたが、多少の変化はあるものの根本的な解決とはならず、輾転反側を重ねた末、ついには細いタイヤに履き替えるしかないという結論に達してこれを敢行することになりました、、あーあ。

アジアンタイヤがお安いことは、こういうとき経済的損失が最小限で済むことはせめて救われるところで、これがミシュランやBSなどを奮発していたなら、さすがそうも行かないでしょうね。

お茶会でkunnyさんのC3エアクロスと。ボディは違えど、同じ目つき。

蓼食う虫

本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、亡くなられた巨匠Tさんの愛車である2CVを2月に譲り受け、GSはそれより少し前に熊本のディープな方の許へと嫁いでいったことはすでに皆さんご承知のとおりです。

それから9ヶ月後の11月のはじめ、残るC3を手放されることになったとのこと、よかったらどうですか?というご連絡をいただきました。
しかし、ゴルフはまだ乗るつもりで6月に車検をとったばかりだから一度はお断りしたのですが、ほどなくして福岡に所用のついでということで乗って来宅され、見ればやはり可愛くて、つい悩ましい気分に、、。
それから数日後、これも「シトロな縁」かと思うに至り、とうとう譲っていただくことになりました。

レザーシートのように見えるのは、C3用のシートカバーで、外せばファブリックのシートがあるはず。

まさか巨匠の愛車を2台も引き継ぐことになるとは予想もしなかったことで、自分でもこの成り行きには驚いています。
巨匠は存生中、ながらくメカニックさんの工場奥深くで眠っていたDS23をCCQ初期メンバーの方へ譲られ、そのころ売買情報として掲載したことを覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、晩年期の4台は一台も業者の手にわたることなく、すべて内輪で引き継いだことになります(残念ながらDSは新たな人の手に渡ったようですが)。

C3については、リアルタイムでその経緯を書こうかと思わなくはなかったのですが、あまりに痴呆的で恥ずかしく、こちらのお茶会メンバーにだけお知らせするにとどまっていました。ちなみにゴルフは乗り始めて9年目を迎えていたことも、乗り換えを決断する誘引になりました。

というわけで、佐賀へ車を取りに行ったのが11月下旬のこと。

高速バスに乗り、天神ランプから都市高速へ。博多ポートタワーは私が子供の頃からある古い塔ですが、設計は昭和の「塔博士」として有名な内藤多仲、氏は東京タワー、通天閣、名古屋テレビ塔、さっぽろテレビ塔、別府タワーなども手がけています。

佐賀市から福岡市までは距離にして60〜70km、高速、一般国道、三瀬峠ルートというドライブコース、さらにもうひとつ別の山間ルートがあるものの、このC3は走行4万キロ強でタイヤは新車時から無交換、あらためて見てみると、地割れのような深いヒビが予想以上に広がっており、見るなり高速ルートは選択肢から消えましたが、一般道はいかにもかったるそうに思っていると「三瀬峠がオススメです」と言われてこのルートで帰ることに。

で、出発してほどなく幹線道路を走っていると「、、もしかして、これはマズいのでは?、、」という暗雲が垂れこめはじめました。私の身体は、とりあえずゴルフ7の手触りとかフィールが染み付いており、むろんC3が同等とは思っていなかったけれど、その幼稚な挙動や、エンジン音その他の低級音など、あれやこれやが全身に容赦なく襲ってきて、正直あせりました。

でも、すでにゴルフは手放してしまっており、今日からこのC3が相棒になったわけだから、もう遅いのです!
さらに憂鬱に追い打ちをかけたのが、3連休中日の夕刻ということもあったようで、佐賀と福岡を結ぶこの山間コースは前半から絶望的な大渋滞で、山道ゆえ迂回路はないし、引き返すとなるとまた相当な大廻りになるし、このタイヤでは高速は走れないと思うと、このままヒシと耐え忍ぶしかありませんでした。

恐怖すら覚えるヒビ割れで、ここまでのものは初めて見たような、、、

その後、最後の最後まで渋滞が解消することのないまま福岡市内に至り、我が家に到着したのは、ナビセット時の到着予定よりも1時間以上遅れて、なんとか自宅にたどり着いてエンジンを切ったときはもうフラフラ、とりあえずベッドに倒れ込みました。ひどい渋滞に疲れたというのもあるけれど、この乗り換えは失敗だったかも、、、という思いが胸の奥に沈殿して、さらに疲労を倍増させていたと思います。

それでもなんでも、このクルマとの付き合いが始まるのだから、なによりまずタイヤ交換というのが切実だったのですが、すでに車庫証明などは下りていたから名義変更が先になり、番号は、巨匠が誕生月日で10-10とされていたらしいので、ほかにこれという番号も思いつかないから、巨匠への敬意を込めて同じ10-10としました。

名義変更完了で福岡ナンバーに。それに要する各窓口の往復と書類書きの煩雑さは大変なもので、わざと不便にしているのでは?と疑ってしまうほど。後ろはいつもドキドキさせられる車検場。

すでにタイヤ選びが始まっていたのはいうまでもなく、近年はバッテリーと同様、タイヤもアジア製が当然みたいになっているから、価格を睨みながらそこそこのものを探しだすことに注力します。、、、続きは次回に。


というわけで、これから折々その経緯を書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合い願います。
ちなみに、2CVではタイトルを漱石からとって「それから」としていましたが、今回のC3では、人の好みはそれぞれという意味も含めて谷崎潤一郎の「蓼食う虫」としました。

というのも、C3はクルマとしてとくだんほめられるようなところはあまり見当たらないけれど、とにかく可愛いくて、心情的にも愛おしさのようなものを刺激してくるところあり、大概のことは「ま、いいか、、仕方ないね、、」と思わせられるからで、乗り進むうちはじめの悪印象がいくらかは持ち直してきています。

ガレージに3台のシトロエンというのもイカれているのはむろんですが、そこにハイドロが一台もないとは、まさに蓼食う虫というべきだろうと思いますが、ま…そういうことなんです。

それではまた!

追加写真、サイドウォールもごらんの通り、かわいいビバンダムもなにもかも、ホラー映画のよう、、、

偉大な栄冠

今年も残すところ数日となりました。
年内にアップしようと思っていたのが、ギリギリになりました。

中学生の頃から欠かすことなく購読していたCG誌(カーグラフィック)をやめておよそ3年…書店で手にしても、さすがに「もう一度」という気にはならず、最近はたまにバックナンバーを引きだしてパラパラやるぐらいですが、面白い号に行き当たりました。
CGの創刊は1962年で2022年はその60周年にあたり、同年5月号では『投票で選ぶ偉大なる自動車デザイン』と題する壮大な企画が誌上を賑わせています。

CGと縁のある内外の各ジャンルの人たち総勢175名による投票で「最も偉大な自動車デザイン」を感情のおもむくまま5台以上10台以下選出するというもので、時代/国の内外も不問、たったひとつ課される条件は「路上を走ることのできる市販車」というもの。
創刊60周年にちなんで60台、60位から1位まで、実に54ページにわたって解説を交えながら順次発表されています。

そして、その栄えある第1位に輝いたのはシトロエンDSなのでした!
我々にしてみればどこか当然のように思うところもあるけれど、対象は古今東西すべての市販車という、途方もない地平の中から選ばれた結果であることを考えると、やはりこれはすごくないですか?

以下、第2位ランボルギーニ・カウンタック、第3位ミニ(BMC)、第4位VWゴルフと続きますが、それ以外のシトロエンはというと、第14位2CV、第25位CX、第27位SMの4台で、SMよりCXのほうが上位というのも少し意外でした。

それ以外のフランス車では、第23位ルノー5、第33位アルピーヌA110(初代)、第55位ルノーアヴァンタイム、ほかに第30位と第37位が戦前のブガッティ、そして第60位プジョー205というわけで、あたまとしっぽをフランス車で挟んでいます。

最多はフェラーリの6台、次いでアルファロメオの5台、ポルシェは911と356の2台であることを思うと、シトロエンの4台というのはなかなかのものだし、なんといっても第1位を獲得ですからね!!!


ちなみに、前月の4月号は『投票で選ぶ偉大なるスポーツカー』で、こちらはポルシェ911が第1位に輝いています。

スポーツカーは定義が難しく、動力性能、操縦性、ドライバーが享受する喜び、様々な実績や製造期間、歴史的意義なども「偉大さ」の要素になるから、デザインに比べると判断が多様で複雑になることは避けられない。

911が選ばれたのは、歴代モデルが「911」の名のもとに半世紀以上にわたって今なお作り続けられていること、また常に第一級の性能を有しながら日常使用にも堪える実用性をも備え、唯一無二の個性とカリスマ性を有し、それを駆る喜びにあふれること、さらには一貫してRRという特異なレイアウトを貫いている点なども思慮されたのだろうだと思います。
関東支部にはこちらのプロがおいでだから、拙い私見を述べるのはこれくらいにしておきます。

また、この分野では日本車がひとつの勢力であったらしいことは意外で、第2位マツダ・ロードスター、第5位ホンダNSX(初代)、第7位日産スカイラインGT-R(R32〜R34)、第10位ホンダS500/S600/S800、以下マツダRX-7、フェアレディZ、トヨタ2000GT、レクサスLFA、レビン/トレノ、トヨタスポーツ800、GT-R(R35)、ビート、ランエボ、インプレッサ、インテグラタイプR、S2000、シビックタイプR、RX-8、シルビアと実に18台が居並んでいるのは驚きでした。

さらに意外だったのは、さも上位争いをしそうなフェラーリが10位以内に一台も入っておらず、第13位でようやくF40が登場します。
モデル数が多いぶん票が割れたともいえますが、ヴィンテージフェラーリの金字塔である250GTOでさえ第38位にすぎず、『偉大なるスポーツカー』はいかようにも評価が成り立つ(あるいは分かれる)という点で、判断は簡単ではないようです。

昔はスポーツカーたる要件は2座オープンであるとされていたり、ポルシェも911をスポーツカーではなくツーリングカーだと公言していたし、はたまたレーシングカーはスポーツカーなのか?というような解釈が際限もなくでてくるので、とにかくややこしいのです。

その点、「デザイン」ははるかにシンプルかつ明快で、よってDSの第1位は異論を挟む余地が少ないようにも思います。

3年以上も前のことだから、とりたてて新しい話ではありませんが書いておくことにしました。

ちょっとしたこと

先日、書くほどもない用でディーラーに行ったら、待ち時間に飲み物やチョコなどの相伴に与りましたが、それがとても洒落ているので一部いただいて帰りました。

トレーに一式整えられたところを写真に収めてはみたものの、飲食物を晒すのは趣味ではないから、箱とコースターのみ撮り直してご紹介。

ふだんディーラーには不義理ばかりしているけれど、こういう小道具や舞台装置のもたらす演出となると、油臭い町工場は及ぶべくもない部分ですね。

ちなみに、対応は若い人のほうが(マニュアル通りだとしても)接客マナーがよろしく、友好的で、こまかな気配りがありますが、年嵩になると忽ち昔風の肌触りに戻ってしまうところがジェネレーションの違いなのかと感じました。


別の日のこと、コストコの駐車場を出ようと誘導員の指示を待っていたら、目の前を、なんと2CVが横切って行ったのには我が目を疑いました。

とりあえず直進せざるを得ず、先ですぐに方向転換してみたものの一度は見失い、やがて奥の駐車の列の中にひょこんと止まっているのを発見。

カードを挟むべく車内を探したところ、肝心なときにこれが見当たらず結局あきらめて帰宅したけれど、落ち着いて探したらシート背後のポケットの底にそれはあり、あー!と力が抜けました。
あわてると失敗する典型です。

単色の、初めて見る黄色でしたが、万にひとつこの一文が目に止まって、ご連絡いただけたらうれしいです!

山重電切博多ノ宵月

9月末、充電器に関する投稿で「今どきのバッテリーは長く使うものらしい」というようなことを書いたのに、C5エアクロスのバッテリーが突然死らしいことになりました。

このところ急に冷え込んできたせいか、家電のリモコンとかPCマウスなどの電池がバタバタと力尽き、この感じではクルマも充電をしておいたほうがいいだろう…と充電器を繋いだところ、いつもとは違うおかしな表示が出るばかり。
首をひねりながらドアを開けると、室内は様子がヘンで真っ暗闇、スタートボタンもリモコンキーもまったく反応がなく「うあー、、!」っとなりました。
2CVでひと騒ぎした電気問題が、エアクロスへ飛び火したのか?

光るものがすべて失われて冷ややかに固まったような車内。

しばらく充電を続けるも、直感的に「これは終わっている」と悟ったから、ぐずぐずしても時間の無駄となるだけ、これではバッテリーが復活するとも思えないし、多少しても安心して使えるはずもない、、
すぐにバッテリー店に連絡、向こうから折り返して適合もわかり、さらに在庫もあるというので、一気に購入へと一直線に動き出しました。

このとき、あいにくゴルフが手許になかったけれど2CVは問題なくエンジンが掛かったから、これで行くしかないと覚悟を決めて片道30分ほどの倉庫店まで行き、新品バッテリーをトランクに乗せて無事に戻ってくることができました。
今どき2CVみたいな超時代遅れなクルマでも、いざとなれば実用面での役割を果たし、突然倒れたエアクロスの窮状を救ってくれたところがなんとも愉快であるし少し感動的でした。

バッテリー店の倉庫は、壁一面ご覧のとおりの壮観な眺めです。

昔はハイドロ車が立ち往生したり、つまらぬトラブルで動けなくなったとき「結局最後に頼りになるシトロエンはいつも2CVだ!」と言い合ったものでしたが、そんな談笑がなつかしい記憶と共に蘇ってきたり。
淡々と、騒がず、驕らず、自分のペースで走って人と荷物を運搬できるから、ついでに帰りはホームセンターに立ち寄って枝箒を買ったはいいけれど、これがなかなか入らず、ついに先をぐいと曲げて遮二無二押し込んで帰ってきました。

積み込んでくれましたが「このクルマ用ですか?」と聞かれました。

購入したバッテリーはCCQ内でも定評を得て久しい韓国製(こちらではもう常識になっています)で、博学なSさんによればBOSCHであれVARTAであれ、現在の自動車用バッテリーの大半は韓国の同じ工場で製造されているそうで、その品質は有名ブランド品とまったく遜色ないのに、価格は相当にお安いのが助かります。


交換には例によってducaさんのお手を借りることになり、いつもありがたいことです。
約束の時間に来られて、それでは作業開始というわけでバッテリーの+側ターミナルを確認がてら触られていると、その刹那、あたりに「クー」という周波の音が聞こえて、「えっ、まさか!」という不穏なものがよぎりました。
ちびまる子ちゃんの、顔に数本の斜線が入るあれです。

この音は電気が通じていればこそだから、まさかという気持ちで室内を覗くとメーターには光が戻っており、エンジンボタンを押すと「クルルル、ブオン!」とかかりました。
なんたることか!!!

最近の車のバッテリーターミナルには下のような赤いプラスティックのカバーがありますが、そのままでは充電器のクリップが咥えにくいので、これを上に開けたのでしたが、同時にターミナルから離脱する作りになっているとも知らず、それで電気が途絶したわけでした。
そんな事だとは気づかぬまま、ただもうバッテリーの寿命もしくは突然死!とひとり決め込んで、慌てふためいて上のような怒涛の行動に突入したわけでした。

赤いキャップを開けると同時にターミナルから外れる仕組み、、、だったのですが、知らなかったもん!

ducaさんは、目の前のこの喜劇に呆れ果てられたことと思いますが、一呼吸おいて気を取り直されたのか「じゃあ、これ(新品バッテリー)は返品しましょう!お店に電話してみてください」とのこと、「え、電話ですか?」「はい、とにかく電話!」「はぁ…」、、私にしたらとんだ無駄足を踏ませてしまったわけだから、ここはもう言われたとおりにするしかありません。
で、電話をかけはじめると、背後から「ま、たぶん無理でしょうね、この手の返品は99.9%ムリでしょう!」とか「だめだったら交換しましょう!」という声が次々に被さってきます。

先方に事情を話してみると、「はい、では領収書と、新品の確認ができれば返品大丈夫です。土日祝日は休みです」と言われ、まだ箱を開けてもいない状態でもあったから、連休明けに返しに行くことに。
さて、せっかく来ていただいていることでもあるから、その日は積み残しだった他の作業をしていただき、あとはお茶して雑談することになり、なんとも申し訳ない次第でした。

私としては、すでに目の前に新しいバッテリーがあるのだし、5年使ったのだからこの際交換しておいたほうが良策では?という考えもあったのですが、交換作業は周辺部分まで脱着する必要があるようで、見た目ほど簡単ではないらしいので、それを考えたら、まあ敢えて今でなくてもいいかな?、、というところに落ち着きました。
ちなみに、上記Sさんの情報では、新車時についているバッテリーは早めに交換したほうがいいとのことでもあり、今後はあまり横着に構えないほうが良さそうです。

翌日、再度充電して2時間後に見に行ったら、はやくも「FUL」になっていたので、いちおうは元気なのかもしれません。

〜以上、本来はバッテリー交換のネタにするつもりだったのですが、自分でもかなり一途に気合を入れた行動だったのに、最後はあっけないオチで砕け散ることになりましたました。

今年は『べらぼう』を見ているもんだから、黄表紙じゃねえけれど「おもしれぇ!」って笑っていただけるんなら幸い、ちなみに山重ってぇのはあっしら馴染みの、あの印のことでごせえますよ。

それから-9

10月後半になるとようやく季節到来なのですが、夜はヘッドライトを点灯するせいかメーター内の電圧計がやけに左(マイナス側)に傾いているのが少し気にかかりました。
走り出せばいちおう右に動くから、あまり気にせずに一度はうっちゃっておいたものの、どうも電気は気になりだすとすっきりしません。

なかなか真ん中に達することの少ない電圧計。アイドリングでヘッドライトを点灯すると、みるみる左に寄ってレッドゾーン近くに。

で、充電器の出番とばかりに繋いでみると容量は60%と表示され、前回充電からそれほど経っていないから、ん?と思いました。
エンジンを掛けたとき、フロントからキキキというようなヘンな音がしていたことも思い出されて、もしやオルタネーター?という不安がよぎり、確認のためバッテリーのマイナスのターミナルを外してみると、その瞬間、エンジンはプッと止まりました。

取り急ぎducaさんに連絡したら、間の悪いことにドカティミーティングで宮崎へ遠征真っ最中で、とりあえず後日へ持ち越し。
そんな折、偶然にも巨匠ジュニアから連絡があって立ち寄られることになったから、これ幸いに診てもらうことに。
エンジンを掛けて、しばらく置いてからバッテリーのマイナスのターミナルを外すとなぜか止まらないし電圧計も動くから「レギュレーターのほうでは?」ということになり、すっかりオルタネーターだと思い込んで購入寸前だったのですが、もう少しよく調べてからのほうが良いというアドバイスをいただきました。
2CVのオルタネーターはネットで国内で3万円以内で新品(リビルド品かも)がいつでもあるから、そのあたりは心理的にも助かります。

その後いよいよducaさんが来られて入念なチェックをされましたが、巨匠ジュニアとほぼ同意見でした。
で、オルタネーターのブラシの摩耗チェックをしてみようということになり、中を取り出してみたところこれも特に問題はないだろうとのこと。

ちなみに、よくブラシブラシというから、なにか歯ブラシの先みたいなものがあるのかと思っていたら、ところてんぐらいの小さな棒が2本突き出ており、これがブレーキパッドのように減っていくものらしく、無知な私はこんなことにもびっくり!

ただ、オルタネーター付近からの異音はducaさんも認識され、念のためということで駆動ベルトを覆う金属カバーを外してみると、ベルトのテンションがやや足りていないことが判明、これはオルタネーターの取り付け位置を少しずらすことで解決されました。
いくつものボルト類を外して位置を変更すると、異音が消えて至ってスムーズに回り始めたのですが、曰く緩いとベルトが暴れて音が出たりするとのことで、相変わらずさすがです!
さらにオルタネーター、レギュレーター、バッテリーの接点の類を外して磨いて接点復活剤というようなものを塗布し、不要と思われるコード類は取り去るなどしていただきました。

(左)オルタネーターのブラシとはこういうものでした。(右)オルタネーターとベルト。

試運転に出かけると、昼間は電圧計もそれなりに上がっており、そもそも2CVのような車はアイドリングでの発電量は余裕がないのが普通だそうで、これをワーワー騒ぎ立てるのはいささか軽率でもあったようです。

また充電器は、繋いですぐは必ず60%と表示される作りなのか、ものの10分で70%、さらに80%と短時間でぐんぐん表示が上がっていくから、バッテリーの蓄電量不足だったとも言いかねるところがあり、オルタネーターやレギュレーターを交換しても大差ない可能性があるだろう、、、というのがほぼ結論のような感じとなり、焦って不要な部品を買わずに助かりました。

それより夜の信号停車中は、できるだけヘッドライトを消す習慣をつけるほうが良いようです。
そこでわかったことですが、ライトスイッチはスモールの位置でヘッドライトが点灯するからおかしいなぁ…と思っていたら、なんと、スモールの位置でレバーを前後させると、スモール/ロービームの切替となっていることが判明。
私は2CVは経験者である筈なのに、まったく覚えがないのは我ながら呆れるばかりで、車の前で見守っておられたducaさんはただ苦笑されるのみ。
アイドリングでヘッドライトをつけっぱなしにすると充電量が追いつかないから、いつでも消しやすいようスモール/ロービームが簡単に切替られるようになっているのかもしれません。

こういうことで騒いでいたある日の深夜、自宅から遠くない交差点を右折しているとき赤信号側の先頭に、猫のような黄色い目を光らせた小さなライトが目に入ったから「おや?」と思ったら、なんとグレーのチャールストンが信号待ちをしていました。夏場ひっそり隠れていた2CVが、秋の虫が鳴き出すように路上に出てきて、ボディを小刻みに震わせているといった趣でした。

私のようなメカオンチにとっては車の不具合はなんであれイヤですが、とりわけ「電気の足りない問題」は不安も痛切ゆえに、いささか騒ぎすぎだった気もしますが、考えてみると、EV車などは要は大量の電気を大量に減らす一方で走るわけだから、のんびりした気持ちでは乗れないだろうと思います。車の姿をした巨大スマホだと思えばいいのかもしれませんが、、、

福岡空港国際線ターミナル3Fの出発ロビー前。ここはディーラーの試乗コースにもなっており、ひたすらぐるぐると周回するだけ

※アップ後に教えていただきましたが、「ブラシ」の語源は、昔はブラシの様な細い銅線の束を当て付けて通電していたことに由来しているとのことで、その後進化してカーボン製となり、潤滑性もあって飛躍的に寿命が長くなったそうです。