静伝記

2CVの作業の必要からホームセンターに行くことになり、久しぶりにducaさんのC5に同乗させていただきました。

いまさらですが、ducaさんはメカに通暁されているだけでなく、とりわけ乗り心地に対するこだわりと研究・実践において、クラブ内では最も研鑽を積まれているおひとり。

さて、車の乗り心地や質感はものの数メートル、タイヤが少し転がっただけで感知できることがあり、すぐに「おっ!」と思いました。距離が進むにつれ、以前との違いをいよいよ確信、ご自身も控えめながら敢えて否定もされませんでした。

ふっくらして、角が丸く、大小の凹凸やうねりを乗り越えるたびにフワリと波に乗り、恰幅もある。すみやかに元の姿勢に戻る始末もあって、酩酊的に揺れるわけでもない。

タイヤは比較的硬めの銘柄、さらに交換時期も遠くないと思われる状態で、私は日頃から乗り心地において、過度にタイヤに依存するのは違うように思っているので、その点も大いに得心のゆくところでした。

細かいことは秘事かもしれないし、そもそも私には説明しろと言われてもできませんが、まるで家元の茶室に招かれ、その結構なお点前に与ったようでした。

一説には、ハイドロらしさを堪能するには、リアがマルチリンクではないほうが好ましいと見る向きもあるようで、なるほど一理あると思いつつ、こういう体験をするとまた混迷を深めるばかり。いずれにしても、ハイドロの美味に舌鼓を打ちました。

これだけハイテクが進歩を極める中、ハイドロの真価がどこにあるのか?とあらためて問うてみると、私なりの答えは、その乗り味の中に漂う「威厳と品位」ではないか…と思ってみたり。
これは、電子の力が最も苦手な領域だとすると、今後もなかなか手に入らないでしょうね。

静伝記」への2件のフィードバック

  1. 殺人的な暑さの毎日、どうぞご自愛ください。
    さて、今回は重鎮たるメンバーの愛車登場ですね。
    さすがハイドロには確固たる信念をお持ちのようで、とても良い状態をお見受けします。
    品のいい乗り心地、優雅な走りっぷり。ハイドロの真骨頂たるものを体感されたのですね。
    僕もc6に初めて乗った時の感動は今も忘れられません。
    ときに、こちらでも余計な電気については話題になる事がありますが、難しい事は僕にはさっぱり理解できませんが、雨の日はとても調子が良くなる事はわかりました。
    オーディオの世界ではノイズが音に悪影響を及ぼす事は周知の事実故にクルマに関しても侮れない事でしょう。
    ハイドロを愛でる事は、滅びゆく美学を愉しむような感覚です。

  2. 本当にこの暑さでは先が思いやられますね。
    ハイドロであれ、それ以外であれ、車の乗り心地とか感触はそのつど明らかに違いがあり、しかもその原因はほとんど謎に包まれているようで、解明は並大抵ではないようです。
    ただ、人の感覚というか身体のセンサーは、思っている以上にセンシティブで、かなり正確に感じ取っていると思います…もちろん個人差はありますが。

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