2025年
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
暮れに何という偶然か、これまで見たこともないような大玉の立派なレモンをいただきました。
昨年は「シトロエンの意味がレモン」であることを知り、ネット翻訳のオランダ語で[レモン→citroen]とそのままズバリ出てくることに感激したのは記憶に新しいところ。
私達が喜び勇んで乗っていたのはレモンで、レモンクラブだったのかと思うと可笑しくなります。
今年も良い年でありますように!
Chirac映画館-5
ことしも残りわずかとなりました。
場所柄をわきまえ、映画ネタはやはり自重せねばと思っていたところ、思いがけず好意的なメッセージをいただくなどして、またご案内を続けることになりました。
以前の、滋味深い人間ドラマからだんだん遠ざかって、少し思い切ったチョイスですがよろしかったらどうぞ。
▼『幻滅』 バルザックの同名小説を原作とする2023年のフランス/ベルギー映画、監督:グザヴィエ・ジャノリ
19世紀前半、主人公の文学青年リュシアンは、田舎の印刷場で働くかたわら詩作に励むが、彼の愛人にして支援者である貴族の夫人とパリへ駆け落ちし、華やかで残酷、悪意と虚飾に満ちた、喧騒の渦中へ身を投じることに。
はじめは貴族たちの嘲笑を買うような都会のルールに疎い田舎者でしたが、人づてに新聞記者の職を手にしたことから社会の裏を教えられ、呑み込みのよいリュシアンは、めきめきと頭角を現して奸計をめぐらすまでになり、生き馬の目を抜くようなパリを舞台に、衆目を集める存在へとのし上がります。
もっぱら自分の才に頼んで、欲望の赴くまま、傲慢と放蕩のかぎりを尽くしますが、その内実は借金まみれで崖っぷち。
次々に野望を成し遂げるリュシアンですが…。
フランス映画には珍しく絢爛瑰麗な画面で、隅々まで作り込まれた大小道具や衣装などのビジュアルも楽しめましたが、やはり原作の力が根底を支えているのだろうと思います。セリフが早すぎて読むのがついていけないところがあり(でも吹替えは絶対にイヤなので)、すぐにもう一度観てしまいました。
▼『Summer of 85』 2020年、フランソワ・オゾン監督
『幻滅』で主役をつとめたバンジャマン・ヴォワザンの関連映画で何気なく観始めたところBL映画だったので、これはどうかなぁ…と躊躇しましたが、映画としては見応えのある内容であったことと、なによりシトロエンがこれでもかとばかりに登場する作品だったので、やはりお知らせしないわけにはいきません。
ノルマンディ地方の美しい海岸地方を舞台に、1985年のひと夏におこる若者の純粋とエゴが交錯する恋愛悲劇で、車はあくまで背景での小道具ではあるものの、あちらこちらにシトロエンが出まくります。
しかも、時代考証もよくされていて、80年代の、すなわちXM/Xantiaがまだ存在しなかった頃のシトロエンがぞろぞろ登場します。
海辺の道路に置かれていたCXが、別のシーンでは町中を走ってみたりと、使い回しもされているのでしょうが、ほかにDS、アミ6、GS、BX、2CVなど、わずかな瞬間ですがこれほど出てくる映画は珍しいと思います。
この時代の雰囲気を出すために全編フィルム撮影されたらしく、それもこの映画の美しさに一役買っているようです。
▼『ピアニスト』
個人的に、クルマと並ぶもうひとつの趣味がピアノなので、そのタイトルにつられて観たところ、これまた想像を絶する内容でびっくりでしたが、しかし面白い作品だったので、『Summer of 85』以上に迷いましたがご紹介することに。
舞台はウィーン、周囲から尊敬を集めるピアニストで音楽院の教師でもあるエリカは、子供の頃から音楽一筋、人生をピアノに捧げ、口うるさい母親との孤独な二人暮らし。シューベルトの大家として名を馳せ、いつも凛として冷淡、娯楽や恋愛など無縁といわんばかりの峻厳で近づきがたい女性ですが、その裏にはとてつもない秘密の一面が隠されています。主役を演じるのは、知る限り少し変わった役どころの多いイザベル・ユペールですが、この役はまさに本領発揮と思われました。
シトロエンの贅沢なクーペの名の本当の意味がこういうことかと思うと、さすがに複雑な気分にもなりますが、かつてのハイドロシトロエンのオーナーの屈折した心の奥には、クルマに向けてほんの少しこのような苦痛と快楽とが織りなす喝仰の念が潜んでいたのか…。
2003年、フランス/オーストリア、監督はミヒャエル・ハネケ
▼『パーフェクトマン 完全犯罪』
作家志望のマチューは運送や遺品整理の仕事をしながら自作を出版社に送っているが、相手にされず鬱屈した日々を過ごしています。ある日、身寄りもなく孤独死したという元軍人の部屋を処分をしていると、アルジェリア戦争で綴られた生々しい日記帳を発見。それを密かに持ち帰り、自作として作り変えて送ってみたところ、たちまち大ヒットして作家デビュー。世間の注目を浴びて、生活は一変します。
3年が経過、美しい恋人にも恵まれ、南仏の壮麗な別荘に滞在する彼女の両親からも才能ある作家として歓迎されますが、次作はまったく書けておらず、出版社には前借りまでしており原稿の催促に追われていることもひた隠しに。しだいに塗り重ねたウソもほころびかけたころ、故人の友人で日記の存在を知る男が現れ、絶体絶命の窮地に追い込まれますが…。
主役を演じるピエール・ニネの内的でメリハリのある演技と、しなやかなフランス語が印象的。
2015年フランス映画 監督はヤン・ゴズラン
Xmはどうなった?
今年の3月に、新門司港まで迎えに行ったXmですが、特に急いで登録する必要も無く、ダラダラとしていました。内外装に不満は無く、いつでも車検が受けられる状態ですが、気になるところが無いわけでもありません。
不具合その1 リアサスペンション・スフィアがパンクしているようです。純正球が付いていますが、もう手に入らないのでIFHS球に交換ですね。
不具合その2 シフトノブが崩壊しています。毎回触るとこなので、このままでは気持ち悪いです。
不具合その3 ドットマトリックスが読めません。お約束ですが、修理できます。
不具合その4 シフト・インジケーターが点灯していません。これは初めて、不便なのでメーターを開けてみます。
年内に車検を取るつもりで予約をとりましたが、最後にハプニングがあり越年決定です。(つづく)
高松行き(3) c5ブレークでの長距離走行
今回、C5ブレークの後席で長時間過ごし、帰路の神戸から浜松まで運転をさせていただきましたが、この車の性能の高さに驚きました。4人乗車して荷物をしっかり積むことで乗り心地がどっしりして無駄な揺れがほとんどなく、フラットなままで高速道路を走っていました。
後席に座っていても揺れをあまり感じないのシートを含めた居住空間の出来の良さも相まって、殆ど疲れないままで時間を過ごせていてずっとここで良いな、、と思っていました。同型のブレークを11年所有しましたが、生憎後席で長時間移動したことはなかったので知る機会がなかったです。
また、ドライバー交代して2.0を久しぶりに長距離運転しましたが、パワーも必要十分で4人乗車でも追い越し車線にも不安なく出られるのでストレスなかったです。乗客として乗る分にはAL4もシフトアップとダウンが少ない分のんびりした感じになりますし。コンフォート玉が装着されていることでロールは大きめなのでそこを押さえて運転すれば、ドライバー、乗客とも長距離は疲れ知らずで移動ができる素晴らしい車でした。
新車での販売当時、故障が多いという噂や、シトロエン販売網の再編(新西武からシトロエンジャポンへ)などの影響で販売台数が伸び悩んだのが惜しまれる限りです。
高松行き(2) C5部品取り車の話
午後から工場を訪問してHさんご挨拶してからC5を確認。既に部品をお願いしているので分解が進んでいました。現車は5年くらい屋外に放置されていたようで、外装にはコケが生えたりしていましたがへこみもなく、内装は走行6万キロ台だったのでとてもきれいでそのまま処分するにはとてももったいない。
最初、SNSにアップされた写真ではTさんと同じグリファルミネーター(ガンメタ)かと思っていましたが、実車はノアールオプティシアン(黒のメタリック)でC5では初めて見た色であり、左ハンドルであることも相まってC5iiの初期導入車の様でした。もし同色であればTさんや私の車の外装として使えるな、、と思っていたのですが残念ながら叶わずでした。
Hさんによると解体屋さんから工場までは自走で運んできたそうで、ATもエンジンも問題なさそう、との判断でした。ただフロントのストラット付け根の高圧ホースからのLDS漏れがそれなりにあったので、Hさんによると前オーナーはディーラーとかでパーツ供給の問題や修理代がかかることを脅されて乗るのを諦めてしまったのかも、とのこと。また、今回の部品どり車の話はHさんがSNSに公開されたのに要望を出したのがCCQ関東の3人だけ(KoさんはCCQホームページ経由)というのが何とも寂しい限りでオーナーが極めて少ないんだな、というのを痛感しました。
約1時間現地滞在し、追加で取れるものを取って、一部のものはTさんのブレークに積み込んで帰路につきました。大物を含め、殆どの部品は今度Hさんが東京に来られるとのことだったので運んでいただくお願いをしました。
昨日(12月21日)積載車で上京されたのでハイエースで引き取って、それぞれの家や工場に運びました。
高松行き(1) 部品取り車を見に行ってきました
12月上旬、SNSにC5iiの解体車が発生したとの書き込みがあり、投稿者にコンタクトを取り部品を譲って頂くことになりました。めったにないC5iiの部品取り車なので、香川県の高松とやや遠いものの、12月13日からCCQ会員のTさんご夫妻と当方で見に行ってきましたのでご報告させていただきます。いささか長くなりましたので分割投稿しますのでご容赦ください。
金曜日仕事を早めに切り上げ、横浜市内で待ち合わせをしてC5ブレーク2.0に4人乗車で一路高松へ。横浜から高松までは700㎞くらいあり、一気に走るのはきついので金曜日は三重県の伊賀上野市を目的地としました。
↑新東名長篠設楽が原PAにて。4人分の荷物を積んでもリアが沈まず普段どおりの姿勢を保っているのはハイドロの美点ですね。
幸い、東名高速も一部区間で工事による渋滞があったものの、スタート時間が早かったせいか大型トラックも少なく、新東名~名阪国道経由の快適なドライブで22時前にホテル到着となりました。
土曜日は8時過ぎにホテル発で名阪国道~明石海峡大橋経由で高松まで。徳島郊外で近隣在住の407SWのV6乗りの友人と合流しました。
↑香川によくある小山の風景をバックに407swとC5ブレーク。ずいぶん印象の違う2車ですが、サイドビューを比べるとやっぱり兄弟車ですね。中央は徳島の友人
香川県に入りちょうどお昼時だったこともあり工場のHさんからご紹介いただいた讃岐うどん店を2軒はしご。一軒目は十河製麺。
ttps://maps.app.goo.gl/Z4332xSzPuU2mhPC6
二軒目は工場近くのあづまうどん。
ttps://maps.app.goo.gl/FBFMfkWwW8pnhnoP8
どちらも親切に教えてくれて初めての人にも優しいお店でした。うどんを食べ終わった後で工場に向かったのですがそちらは別投稿にて。
帰路は兵庫県三木市のにあるホテルに泊まったのですが、こちらは大阪市内に本店があって人気の中華料理屋さんがやっているホテルでした。楽天トラベルとかでは全く出てこなくてどんなホテルかと思いつつ向かいましたが、まさに中華ホテル。夕飯は膨大なメニューにくらくらしつつおいしい中華を堪能しました。
双龍居ホテル
ttps://maps.app.goo.gl/dBzwDNuQBZWg3m1g8?g_st=com.google.maps.preview.copy
日曜日は京都でテクノパンというオーナーがルノー乗りのパン屋さんでパンを買って、抹茶のお菓子が人気のお店でお茶してから新名神~略~新東名を通って横浜まで。市内の駅で20時頃解散しました。幸い、日曜日の上りの御殿場からの渋滞にも殆ど引っかからず、スムーズだったのは助かりました。
おまけ
新名神の宝塚北サービスエリアにいたHバンもどき。運転席はずいぶん近代的。
2CVのエンジン
シトロエン関係の書籍を読んでいると、いまさらながら驚くべき内容が少なくありませんが、その中から2CVのエンジンに関することを。
この空冷フラットツインは1948年の登場以来、実に42年間にわたって作り続けられたというだけでなく、あまたあるエンジンの中でも「歴史に残る銘機」だとして特筆大書されています。
簡潔にして、創意にあふれた設計、軽量かつ頑丈で、これほど壊れないエンジンは滅多にないのだとか。
空冷なので冷却水やラジエターの心配もなければ、ホース類がないから破裂もせず、ファンベルトがないから切れることもなく、要するに壊れようがない、頼りになる稀有なエンジンとのこと。
しかも、ただ頑丈で壊れないというだけでなく、エンジンとしてのバランスに優れ、それは秀逸な設計に加えて、厳格な工程と精度をもって巧緻に組み上げられたことによる結果だというのです。
技術的な説明も詳しく解説されていましたが、メカに疎い私にはうまく理解し文章として纏める自信がないので、間違ったことを書かぬよう、そこはあえて断念することに。
とにかく、この2CVのエンジンは自動車用エンジンにおける「巧妙な設計と精密加工の手本」のひとつで、かつ、それは手間やコストのかけられる高級車でなしに、すべてを必要最小限に切り詰めた大衆車において実現されたことは二重の驚きです。
2CVのあのヒューパタパタというエンジンに、そんな真実があったとはうっかりしていましたが、「のどかな排気音に騙されてはならない精密エンジン」と釘を差されています。
シトロエンではこのエンジンを組む際の許容寸法公差が1/1000mmで、主要コンポーネントの接合面には一切のガスケットが使用されず、それは時計並みの精密加工のレベルなのだそうで、どんなに酷使されようともオイル漏れ、混合気漏れはなかったともあります。
設計者はタルボからシトロエンへ移籍したワルテル・ベッキアというエンジニアで、軽量かつ最大の強度と完璧なバランスを両立させることに成功しています。
結果、このエンジンはオイル管理さえ怠らなければ、何時間でもスムーズに回り続け、しかも呼吸ひとつ乱すことはないと記されています。いわれてみれば、ずいぶんむかし高速のほとんどをフルスロットル(になる)で300km以上走ったときも、エンジンにはまったく乱れる様子がなく、インターを降りればケロッと正常にアイドリングし、その後も一般道をごく普通に淡々と走っていたことが思い出されました。
余談として記述されていたのは、2CV開発中に誰かがBMWのモーターサイクルに乗っていて、そのエンジンが素晴らしいので参考にすることになり、密かにドイツからエンジンやパーツを取り寄せて研究したという逸話もあるとのこと。
ともかく、2CVのエンジンは望外の精緻な作りで、工学上の傑作エンジンだったとされているのは、いわれてみればたしかにそうだなぁ…と今ごろ納得させられました。
2CVは、乗っているといろいろと騒々しいし、あれこれ笑いのこみあげるようなクルマですが、その乗り心地はハイドロのようにソフトでしなやかであったり、挙げればキリがないほどネタ満載で注目点が多いため、エンジンにまで目を向けることを怠っていたことを残念に思いました。
なにしろ現代の交通環境の中では非力ということばかりに意識が向いて、振動のなさやストレスのない回転バランスの良さを見落としがちでしたが、ドライバーのアクセル操作にもいつも忠実に応えて、持てる限りの力を尽くしてがんばってくれるあたりは、いじらしいばかりです。
頑丈さについても、今よりももっとシトロエンと故障が同義語だった時代、2CVは最も故障が少なく、並み居るハイドロ車を尻目に、いつも安定した信頼感が寄せられていたダブルシェブロンでした。
さらに、2CVは生まれ持った立ち位置や性格から、必ずしも正しく丁寧に乗られるわけではなかったにもかかわらず、「エンジンが壊れた」という話は一度も聞いたことがないのはこの話を裏付けているように思います。
わずか602ccのフラットツインは、時を選ばず容赦なくアクセルは踏みつけられ、常に全力でこき使われていたことを思うと、たしか敬服に値するなと思います。
補足ながら、昔の記憶をさらに辿ると、高速では本線への合流がトロい加速で無事にできるか?とか、平地のベタ踏みでもやっとメーター上の120km/hとか、少しでも上り坂になるとみるみる速度が落ちてくるようなクルマなので、長距離走行、まして高速を長時間走ることなど普通なら御免被りたいところです。
ところが、2CVのすごさはシトロエンの例にもれず、これを敢行しても覚悟していたような疲れは意外に少なく、2CVなりの高い巡航能力をもっているから、朝から丸一日走りづめで夜帰ってきても、ガレージが近づくとまだ降りたくないような、もっと走ってもいいような、そんな気持ちに何度もさせられたことを思い出します。
それを可能にしているのは、なにしろ抜群に楽しいドライブフィールや巧妙なサスペンションと並んで、この名機と言われるエンジンに負うところも大きかったことがあらためてわかりました。
おしらせ
部品取り情報
部品取り車の情報です。皆様、必要部品はございませんか?おつなぎいたします。
V6モデル、6万キロ台です。