
おしらせ

関東お茶会はいっちょう東松山店にて開催となり、参加者はKさん、NAさん、NOさん、K夫妻、Yの6名でした。NAさんの2cvはフレームの修理や昨年のキャブレター付近からの出火などもあり、2cvでの参加がなかなかできませんでしたが、CCQお茶会としてはようやくのお披露目となりました。
少し早く到着したメンバーで同乗試乗させて頂きましたが、NAさんの手塩にかけたセッティングでふわふわの乗り心地を堪能しました。とりわけNOさんは2CV初体験とのことで、いたく感激されていました。Kさんからは、以前最終型(ポルトガル製)の2CVをコレクターから譲ってもらうチャンスがあって、いろいろ運転させてもらったけどピンと来なくて買わなかった、とのお話がありました。NAさんのはポルトガル製で、やはり乗り心地に難があったそうで、手を入れないとフランス製のようにはならないようでした。
今は中古車相場が上がってしまってなかなか難しいですが、いずれ欲しいな、と思ったりしてます。
またNAさんがヤフオクで購入されたという中国トヨタの純正?エンジンオイルを持って来られました。
見かけは如何にも中国といったゴールドのパッケージが目を惹きますが、中身は何と水!4本購入してどれも封印は壊れていないのに全て水が入っていて、明らかなニセモノを掴まされてしまったそうです。出品元はリサイクルショップだったとのことで文句を言ったものの泣き寝入りに終わったそうです。消耗品の購入とはいえ、リスクがありますねえ。
その他、Tさんのコンフォート玉購入話やディーラーのことなどが話題に上がり、23時の閉店まで話が展開しました。いっちょうはお手頃価格なのに個室なので、遠慮くなく長居できてしまうのが良いところですね。
1月20日から22日にかけて、香川県高松市にシトロエンSMを見に行ってきました。大分からフェリーに乗って、愛媛~香川のルートです。
整備工場の一角にそれはありました。
整備中のSM達。DSやパナールも!四国だけでなく近畿・中部からの修理依頼で満杯の工場です。SM購入に備えて、注意する点や貴重な裏話をお聞きすることが出来ました。よい個体と出会えると良いなあ。SMクラブにも入会したい(笑)
今回、ご一緒した中国・四国の濃いメン。気温-6℃、高松市の朝。
約1,000kmの旅をノントラブルで走ってくれたMyXm。
旅の終わりに、試練が待っていました。
大分~熊本に戻る途中でまさかの大雪に遭遇。阿蘇市の「道の駅波野」でチェーンを装着して、恐る恐る滝室坂を下り、無事に帰宅出来ました。
※本文は「お茶会」のページに報告しています。
今年の寒波はいつもとはいささか違っているようで、厳しい寒さが続いています。
普段なら雪とはほとんど縁のない福岡でも、24日は夕方から一時は強い風雪が吹き荒れました。
写真はたまたま外出していて、帰宅中の信号停車中に撮ったものですが、福岡市内でこれほど道が白くなるのはそうはありません。
雪の量はさほどでもありませんでしたが、これまでなら降ったらすぐにベチャベチャになるのに、今回は気温が氷点下だったせいかサラサラで溶けないので、道はみるみる白くなるという珍しい光景でした。
道路の白線も見えないし、北国のように雪に慣れていないのでみんなビビっているようで、おそるおそる30〜40km/hで走っていましたが、なんとか無事に帰り着きました。
オールシーズンタイヤも一考の余地ありと思わせる経験でした。
新潟のcongです。皆様雪害は大丈夫だったでしょうか。こちらはテレビニュースで報道されるほど悲惨な状況でしたが、ハイドロのおかげで悪路を走破して無事帰宅できました。さて、本題ですが、ハイドロシトロエンには様々な種類のsphereがあるために、形状・容積・窒素圧・orifice径などこれらの物理的な要因がサスペンションの快適性に「どのように」、「なぜ」影響するのかを理解するのは簡単なことではありません。
ハイドロシトロエン乗りなら、誰でも経験から分かることは、ガスが抜けてsphereの圧力が低下すると乗り心地が悪化するということです。一見、同じ容積なら、ダンパーのように気体の圧力が小さい方がサスペンションは柔らかいのではと思われます。私の知り合いの理科の先生もそう答えました。しかし、ハイドロニューマチックシステムでは真逆になります。それはポンプによりシステムが常に145~170barに加圧されているからです。
便宜上、単純化して考えてみます。例えば、400ccで初期圧力40barのsphereがあるとします。初期圧力とはsphereに刻印されている圧力です。そして、サスペンションシステムの動作圧力が100barだと仮定します。イグニッションをオンにすると、サスペンションが定位置になるためにオイルがポンプによって送り出され、sphere内の窒素が動作圧力の100barまで加圧されます。高校の理科で習ったボイルの法則で、温度が一定なら気体の体積×圧力は一定なので、そのときの体積は400×40÷100=160ccになります。
もし、同じ容積で初期圧力80barのsphereなら、動作圧力100barまで加圧されたときの体積は400×80÷100=320ccになります。同じ動作圧力ならば、よりガスの体積が大きいsphereの方が、初期圧力が動作圧力を超えていない限り、柔らかいということになるでしょう。また、sphereのダンパー穴orificeが大きい方が減衰力が低く、乗り心地が柔らかく感じられるというのも穴ほじりをしたことがあるハイドロ乗りならば経験するところです。
つまり、容積が大きく、窒素圧が高く、orifice径が大きいsphereほど乗り心地が柔らかいと考えて良いと思われます。
上の表は私が調べた各種sphereの容積・窒素圧・orifice径の一覧表です。主に日本導入モデルを中心にまとめてみました。特に前段の表ではC5のsphereのバリエーションについてまとめてみましたが、年式やグレードで多岐に渡ることが分かります。他のバネ車ならば、コイルスプリングやダンパーで調整するところをそれぞれのグレードの特質を考慮してsphereで細かく調整しているのだと思います。こうやって見るとCXのsphereが一番柔らかい感じがします。逆にハイドラクティブサスの車はorifice径がかなり小さいことが分かります。逆に、下の図のように同じC5でもハイドラクティブ3(アド球を持たない電子化されたハイドロニューマチックと言われているようですが)の車は1.90/1.30のようにorifice径が大きいので、アド球の存在や、アド球のorifice径や、ハイドラクティブレギュレーターのダンパー径(ともに直径1.10mmという噂です)や、ハイドラクティブレギュレーターの配管の大きさ(10mmという話を聞きました)などが関係しているのかなとも思われます。
C5 Phase1のsphereスペック表(Automobile Citroen C5 Handbook Private cars 2002 P.210)
1つ未解明なのが、C5のsphereの表示です。今までのsphereは500/75/1.90のように容積・窒素圧・orifice径が表示されていましたが、C5以降のsphereの場合にはハイドラクティブ3も3 plusの車もsphereのスペック表示のorifice径のところが0.90/0.48のように数字が2つになっています。これが何を示すのか、海外の掲示板を見ても意見が錯綜しています。leaf valve等の仕様変更で新たな可変ダンピングシステムを持ち、orificeの大きさが切り替えられるのか、よく分からないのが現状です。詳細な情報をお持ちの方がおられたら是非ご教示いただきたいと思います。
上の画像はXMのleaf valveのカッタウェイ画像です。右上のように直径3mmの穴が8つ空いています。4つの穴が飛び出ています(凸穴)。残りの4つ穴は引っ込んでいます(凹穴)。そして、裏側は逆になっています(凸→凹、凹→凸)。イン・アウトどちら側に流れるにしても、凹穴から入ったオイルを、出口の凸穴上のスプリングワッシャーがフタになってふさぎますので、大きな油圧がかかった時だけスプリングワッシャーが押されてオイルが流れるという仕組みです。
私事ですが、今、Xantia Actvaに興味を持って色々調べて楽しんでいます。メカ好きにはたまらない代物です。ただ、本当に資料が少なく、フランスからのつてでなんとかシトロエン本社刊行のサービスマニュアルと技術資料を入手しました。その中にActiva suspensionとHydropneumatic、Hydractiveソフトモード・ハードモードの違いの説明ページがあり、興味深かったので以下に紹介いたします。
シトロエン社技術資料(Cours Citroen sur le SC-CAR des Xantia Activa p.7より抜粋)
Ⅱ- ROULIS ET SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE
A – RAPPEL DU FONCTIONNEMENT AVEC UNE SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE CLASSIQUE
Avec une suspension a ressorts metalliques ou pneumatiques, lors de la mise en appui dans un virage, la roue exterieure comprime sa suspension, ce qui limite le roulis. Or, avec une suspension hydro-pneumatique, les deux elements d’un meme essieu etant relies hydrauliquement, le liquide de l’element comprime est refoule vers l’element en detente et donc ni le volume, ni la pression ne varient dans l’element comprime, ne s’opposant pas au roulis. L’effet d’antiroulis n’est assure que par les barres antiroulis, ce qui explique leurs fixations rigides (rotules).
直訳すると
Ⅱ – ロールおよびハイドロニューマチックサスペンション
A – 従来のハイドロニューマティック サスペンションでの操作上の注意事項
説明図:「Pg(Pressure gauche:左[sphere]の圧力)= Pd(Pressure droite:右[sphere]の圧力)、Vg(Volume gauche:左[sphere]の体積)= Vd(Volume droite:右[sphere]の体積)は不変である。従って(ステアリングを急に右に切った場合、アウト側の左脚が圧縮され)その結果としてオイルが左から右に流れ(その結果として右脚が伸びて)、左方向のSens du roulis(ロールが検出される=ロールを防げない)となる」と解釈されると思います。
説明文:金属サスまたはエアサスでは、カーブで車体が押し下げられると、アウト側の車輪がサスペンションを圧縮し、ロールが制限されます。 しかし、ハイドロニューマチックサスペンションでは、同じ車軸(左右)の 2 つのsphereが油圧で関連しており、圧縮されたsphereの液体が膨張中のsphereに向かって流れるため、圧縮されたsphereでは体積も圧力も変化せず、ロールを抑制しません。アンチロール効果は、アンチロール バーによってのみ提供されます。これは、そのリジッドマウント (ボール ジョイント) のことを説明しています(のことです)。
この技術書によれば、ハイドロニューマチックサスペンションでは他のエアサスとは異なり、左右sphere内の気体の圧力と体積が一定のために、オイルが積極的に左右に移動する(etre relie = 関連する)と理解するのが適当なのかなと思います。関連されている懸架 les suspension relies、訳として少し違う気がします。英訳の the interconnected suspensionで検索するとHydropneumaticがちょろっと出てきます。この訳が一番しっくりする気がします。
こうやって色々調べたきっかけは、C5 Phase2の乗り心地が好きでずっと乗っておられる方が何人かいて、何か科学的な根拠があるのかもと考えて、歴代C5のsphereスペックを調べ始めたのがきっかけです。C5のorifice径の資料が乏しくて解決には至らなかったのですが、もし、ご存じの方、ご教示いただけたら、嬉しいです。長文、本当に失礼しました。自分のブログだと過ちを正してくださる方がいないので、正しい知識を教えていただけるCCQの存在は貴重です。感謝しかありません。皆様、良いお正月をお過ごしください。
引用:french car forum、Citroen BX do-it-yourself、Activa club France
新潟のcongです。さて、I.F.H.S.のsphereはサードパーティー・アフターマーケットsphereとしては最も有名なものの1つだと思います。先にI.F.H.S.のsphereに言及したときに、I.F.H.S.はもうサイトが閉鎖されたのではないのかというご指摘をいただきました。そう言われて、I.F.H.S.をキーワードにネットを色々なサーチエンジンを使って検索してみたのですが、一向にそれらしい会社にヒットしませんでした。もう、ハイドロをシトロエンが止めたので、今後の事業の将来性を考えて撤退したのかもという疑念が頭をよぎりました。しかし、撤退したという決定的な情報もなかったので、ヨーロッパのシトロエンフォーラムで尋ねてみた結果、会社のメールアドレスを聞くことができました。そのメールアドレスにメールを送って会社の状況について直接聞いてみることにしました。その結果、すぐに担当のErick Elsenさんから返事が来ました。
I.F.H.S.のサイトのアドレスはwww.hydraparts.be.だそうです。また、製品の注文はorders@hydraparts.be.にお願いしたいとのことでした。実はI.F.H.S.は卸売会社で同じ住所にあるNV Hydra Partsが製造を担っています。NVはオランダ語のNaamloze Vennootschap(ナームローゼ・ヴェンノーツハプ)の略で日本語の「株式会社」に当たる語です。私的にはベルギーというとフランス語圏という意識がありましたが、Erickさんの名前を見ても分かるようにNV Hydra PartsがあるLummen(ランメン)はオランダ語圏のようです。こちらのHPは更新のため、2022年は2月28日~3月4日、7月11日~7月29日、12月22日~12月30日は工事中となる予定だそうです。さらに突っ込んで質問してみたら、私たちが閉鎖されたと思っていたサイトはたぶん、Hydra Parts社のサプライヤーの1つのHPだろうということでした。私が、メールしたときも、私を日本のパーツサプライヤーの人間と勘違いしたらしく、年間・月間の販売想定数や資本金を聞かれたのはご愛敬でした。メーカーにメールを送ればそう思われても仕方ないですね。さらに調子に乗って、sphereを純正部品としてシトロエン社に納品しているかも尋ねてみました。回答は、単層のダイヤフラムを持つタイプについてはシトロエン社に納めているが、多層ダイヤフラムの製品は違うとのことでした。英仏の掲示板を見るとKYBが多層sphereを作って納めているという噂もありますが、実際のところどうなのでしょうか。ヨーロッパの自動車業界新聞Automotive Europeで日本のKYBがハイドロニューマチックのショックアブソーバーをC6ために供給していると書かれているので可能性は大だと私は考えますが確証はありません。
こちらのリンクをご覧ください。(C6のパーツサプライヤー一覧の記事です)
https://www.autonews.com/assets/PDF/CA3704129.PDF
最後に教えていただいたのはI.F.H.S.の偽物が流通しているので注意して欲しいということです。下の画像をご覧ください。右と左とどちらが偽物かお分かりでしょうか。
見分けるポイントを教えてもらいました。
1.ねじ溝の形成不良(偽物はねじ山のつぶれが散見される)
2.アウターバイパスワッシャーの厚みの違い(偽物はやや厚い)
3.セントラルダンパー(小さな穴が空いてる部分)の仕上げの違い(偽物は粗い)
4.極めつけは偽物には実際に存在しない品番(XAはXantiaの意味で、50は50barの意味です。しかし、HSはカタログに存在しない品番です)が打たれています。
こちらのリンクがI.F.H.S.(Hydra Parts)のカタログです。
https://skovgaard-schmidt.dk/wp-content/uploads/2019/06/IFHS-cataloog-18-19-LR01.pdf
以上で、どちらが偽物か皆様にも分かったと思います。
ネット通販で安いものを見つけると嬉しくなるのは、自分もよくあります。しかし、詐欺の可能性もあります。やはり信頼できるお店で購入することが大切ですし、真贋を見抜く目を養うことも大切です。かの国にはこういった偽物パーツが純正・非純正を問わずあるそうで、頭を悩ましているそうです。
昔、ブランドバッグを買って品質が悪いと文句を言ったら偽物だったというような笑い話がありましたが、あの自動車パーツバージョンみたいな話です。本当に世界は広く、この極東の端っこに住む私たち日本人には知り得ないことも多々あるのだなと思いました。色々と教えていただいたNV Hydra PartsのErickさんに感謝です。