皆様こんにちは。CCQ関東・新潟のcongです。最近、同じ新潟県内の三条市のCONSENSE MOTOR WERKEさんを知り、チーフメカの諸橋さんから色々と教えていただいたことを自分のブログに整理してアップしてみました。シトロエンもSCRシステムを搭載した車種が増え、参考になる方もおられるかもと思いまとめてみました。ご高覧いただけますと幸いです。
こちらからご覧ください
https://ameblo.jp/hobbyandlife/entry-12844185045.html
皆様こんにちは。CCQ関東・新潟のcongです。最近、同じ新潟県内の三条市のCONSENSE MOTOR WERKEさんを知り、チーフメカの諸橋さんから色々と教えていただいたことを自分のブログに整理してアップしてみました。シトロエンもSCRシステムを搭載した車種が増え、参考になる方もおられるかもと思いまとめてみました。ご高覧いただけますと幸いです。
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新潟のcongです。皆様雪害は大丈夫だったでしょうか。こちらはテレビニュースで報道されるほど悲惨な状況でしたが、ハイドロのおかげで悪路を走破して無事帰宅できました。さて、本題ですが、ハイドロシトロエンには様々な種類のsphereがあるために、形状・容積・窒素圧・orifice径などこれらの物理的な要因がサスペンションの快適性に「どのように」、「なぜ」影響するのかを理解するのは簡単なことではありません。
ハイドロシトロエン乗りなら、誰でも経験から分かることは、ガスが抜けてsphereの圧力が低下すると乗り心地が悪化するということです。一見、同じ容積なら、ダンパーのように気体の圧力が小さい方がサスペンションは柔らかいのではと思われます。私の知り合いの理科の先生もそう答えました。しかし、ハイドロニューマチックシステムでは真逆になります。それはポンプによりシステムが常に145~170barに加圧されているからです。
便宜上、単純化して考えてみます。例えば、400ccで初期圧力40barのsphereがあるとします。初期圧力とはsphereに刻印されている圧力です。そして、サスペンションシステムの動作圧力が100barだと仮定します。イグニッションをオンにすると、サスペンションが定位置になるためにオイルがポンプによって送り出され、sphere内の窒素が動作圧力の100barまで加圧されます。高校の理科で習ったボイルの法則で、温度が一定なら気体の体積×圧力は一定なので、そのときの体積は400×40÷100=160ccになります。
もし、同じ容積で初期圧力80barのsphereなら、動作圧力100barまで加圧されたときの体積は400×80÷100=320ccになります。同じ動作圧力ならば、よりガスの体積が大きいsphereの方が、初期圧力が動作圧力を超えていない限り、柔らかいということになるでしょう。また、sphereのダンパー穴orificeが大きい方が減衰力が低く、乗り心地が柔らかく感じられるというのも穴ほじりをしたことがあるハイドロ乗りならば経験するところです。
つまり、容積が大きく、窒素圧が高く、orifice径が大きいsphereほど乗り心地が柔らかいと考えて良いと思われます。
上の表は私が調べた各種sphereの容積・窒素圧・orifice径の一覧表です。主に日本導入モデルを中心にまとめてみました。特に前段の表ではC5のsphereのバリエーションについてまとめてみましたが、年式やグレードで多岐に渡ることが分かります。他のバネ車ならば、コイルスプリングやダンパーで調整するところをそれぞれのグレードの特質を考慮してsphereで細かく調整しているのだと思います。こうやって見るとCXのsphereが一番柔らかい感じがします。逆にハイドラクティブサスの車はorifice径がかなり小さいことが分かります。逆に、下の図のように同じC5でもハイドラクティブ3(アド球を持たない電子化されたハイドロニューマチックと言われているようですが)の車は1.90/1.30のようにorifice径が大きいので、アド球の存在や、アド球のorifice径や、ハイドラクティブレギュレーターのダンパー径(ともに直径1.10mmという噂です)や、ハイドラクティブレギュレーターの配管の大きさ(10mmという話を聞きました)などが関係しているのかなとも思われます。
C5 Phase1のsphereスペック表(Automobile Citroen C5 Handbook Private cars 2002 P.210)
1つ未解明なのが、C5のsphereの表示です。今までのsphereは500/75/1.90のように容積・窒素圧・orifice径が表示されていましたが、C5以降のsphereの場合にはハイドラクティブ3も3 plusの車もsphereのスペック表示のorifice径のところが0.90/0.48のように数字が2つになっています。これが何を示すのか、海外の掲示板を見ても意見が錯綜しています。leaf valve等の仕様変更で新たな可変ダンピングシステムを持ち、orificeの大きさが切り替えられるのか、よく分からないのが現状です。詳細な情報をお持ちの方がおられたら是非ご教示いただきたいと思います。
上の画像はXMのleaf valveのカッタウェイ画像です。右上のように直径3mmの穴が8つ空いています。4つの穴が飛び出ています(凸穴)。残りの4つ穴は引っ込んでいます(凹穴)。そして、裏側は逆になっています(凸→凹、凹→凸)。イン・アウトどちら側に流れるにしても、凹穴から入ったオイルを、出口の凸穴上のスプリングワッシャーがフタになってふさぎますので、大きな油圧がかかった時だけスプリングワッシャーが押されてオイルが流れるという仕組みです。
私事ですが、今、Xantia Actvaに興味を持って色々調べて楽しんでいます。メカ好きにはたまらない代物です。ただ、本当に資料が少なく、フランスからのつてでなんとかシトロエン本社刊行のサービスマニュアルと技術資料を入手しました。その中にActiva suspensionとHydropneumatic、Hydractiveソフトモード・ハードモードの違いの説明ページがあり、興味深かったので以下に紹介いたします。
シトロエン社技術資料(Cours Citroen sur le SC-CAR des Xantia Activa p.7より抜粋)
Ⅱ- ROULIS ET SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE
A – RAPPEL DU FONCTIONNEMENT AVEC UNE SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE CLASSIQUE
Avec une suspension a ressorts metalliques ou pneumatiques, lors de la mise en appui dans un virage, la roue exterieure comprime sa suspension, ce qui limite le roulis. Or, avec une suspension hydro-pneumatique, les deux elements d’un meme essieu etant relies hydrauliquement, le liquide de l’element comprime est refoule vers l’element en detente et donc ni le volume, ni la pression ne varient dans l’element comprime, ne s’opposant pas au roulis. L’effet d’antiroulis n’est assure que par les barres antiroulis, ce qui explique leurs fixations rigides (rotules).
直訳すると
Ⅱ – ロールおよびハイドロニューマチックサスペンション
A – 従来のハイドロニューマティック サスペンションでの操作上の注意事項
説明図:「Pg(Pressure gauche:左[sphere]の圧力)= Pd(Pressure droite:右[sphere]の圧力)、Vg(Volume gauche:左[sphere]の体積)= Vd(Volume droite:右[sphere]の体積)は不変である。従って(ステアリングを急に右に切った場合、アウト側の左脚が圧縮され)その結果としてオイルが左から右に流れ(その結果として右脚が伸びて)、左方向のSens du roulis(ロールが検出される=ロールを防げない)となる」と解釈されると思います。
説明文:金属サスまたはエアサスでは、カーブで車体が押し下げられると、アウト側の車輪がサスペンションを圧縮し、ロールが制限されます。 しかし、ハイドロニューマチックサスペンションでは、同じ車軸(左右)の 2 つのsphereが油圧で関連しており、圧縮されたsphereの液体が膨張中のsphereに向かって流れるため、圧縮されたsphereでは体積も圧力も変化せず、ロールを抑制しません。アンチロール効果は、アンチロール バーによってのみ提供されます。これは、そのリジッドマウント (ボール ジョイント) のことを説明しています(のことです)。
この技術書によれば、ハイドロニューマチックサスペンションでは他のエアサスとは異なり、左右sphere内の気体の圧力と体積が一定のために、オイルが積極的に左右に移動する(etre relie = 関連する)と理解するのが適当なのかなと思います。関連されている懸架 les suspension relies、訳として少し違う気がします。英訳の the interconnected suspensionで検索するとHydropneumaticがちょろっと出てきます。この訳が一番しっくりする気がします。
こうやって色々調べたきっかけは、C5 Phase2の乗り心地が好きでずっと乗っておられる方が何人かいて、何か科学的な根拠があるのかもと考えて、歴代C5のsphereスペックを調べ始めたのがきっかけです。C5のorifice径の資料が乏しくて解決には至らなかったのですが、もし、ご存じの方、ご教示いただけたら、嬉しいです。長文、本当に失礼しました。自分のブログだと過ちを正してくださる方がいないので、正しい知識を教えていただけるCCQの存在は貴重です。感謝しかありません。皆様、良いお正月をお過ごしください。
引用:french car forum、Citroen BX do-it-yourself、Activa club France
大まかなご報告は「お茶会」ページの方にありますので、そちらを御覧ください。
Hさんは、今年乗り換えられた2代目C4でのご参加でしたが、車内のメーター類は目にも鮮やかなブルーの世界。
遠方なので、一足先に帰路につかれました。
後半は、Tさんのまるで研究者のようなお話を伺っていると、ぜひとも実車に乗せていただかずにはいられなくなり、それでは!ということで店を出ました。
付近の路面のなめらかとは言い難い路地を右に左にと走って、その成果の程を体験させていただきました。エンジンもサスペンションもとてもスムーズで、密度感のようなものがあり、きれいに音律が整えられた楽器のようでさすがと感銘を受けました。
次いでSさんの1型C5にも乗ってみることになり、再びほぼ同じルートに挑戦。これはこれでさりげなくとても良い感じで、いつもしっかり手を入れられている車だけのことはあると感心させられました。
駐車場に戻ると、TさんがC5エアクロスの脇に立って「これも行きましょう!」と言われて、こちらにも乗っていただきました。「マンホールを踏んでください!」とのご要望で、できるだけ凹凸の上を通過。
ハイドロ2台のあとではさすがに気が引けましたが、PHCはその風味だけは引き継いでおり、こうして立て続けに3台乗ってみると、やはり同じ波長というかDNAをもった一族であることを感じることができました。
さまざまに仕掛けを施されたバッテリー周辺やエンジンルーム。
プロのような仕上げの丁寧さにも感心させられます。
やはり試乗会は理屈抜きに楽しいものですね!