
またまた2CVネタで失礼します。
お茶会にもなんとか初参加を果たしましたが、やはりエンジンが止まる症状が再発することが判明、これが喫緊の課題となりました。
始動後しばらくは順調なものの、15分なり30分なりすると、急にアイドリングが変調をきたしてエンジンが止まってしまうという、甚だ困った症状です。
信号などでアイドリングがおぼつかなくなると息も絶え々々になるから、アクセルを踏み足すかチョークを引かないと止まってしまい、これが出始めると停車するたびにヒヤヒヤさせられます。
キーを捻ればなんとかエンジンはかかるから、レッカーを呼ぶ事態には至らないものの、チョークをずっと引いてごまかしながら家に辿り着くしかなく、これでは到底楽しめません。
ducaさんに相談すると、この件でも鋭意ご尽力くださって、あれこれ原因を究明、キャブの調整やらなにやらでずいぶんお手間をかけました。
主治医のメカニック(2CVにも詳しい!)にも意見を仰ぐほか、ducaさんのほうでもネットやCCQ関東のNさんの豊富な知識や経験談なども踏まえながら、何日にもわたって原因究明・調整・試行錯誤などに打ち込んでくださいました。
そのいちいちを書くのも徒に字数を増やすだけで、メカに疎い私では、さほど正確なことを伝える自信もないので省略しますが、ときに長いドライバー持参で試走しながら、何度も道端に寄せてはボンネットを開けて調整するといったようなことも行いましたが、人の視線はあるし、真横をパトカーがかわしていくこともあり、お咎めがあるか?と思ったら何も言われませんました。
巨匠の愛車とはいえ、晩年は長く入院されるなど、自由に車に乗ることが難しくなられ、ついにはナンバーも廃されて数年不動状態であったためか、一例を挙げるとエアクリーナーなど、中のスポンジが劣化してボロボロの粉状になっているなど、手を入れるべき箇所が散見される状態だったことも事実です。
そのひとつ、動かない燃料計は、電気的なチェックによってタンク内のフロートセンサーが原因だろうというところまで追い込んだのですが、2CVは床下のガソリンタンクをはずさないとこれにアクセスできません。
で、タンクを外すにはある程度ガソリンを抜き出して軽くする必要があり、ポンプを買い、ホースを準備し、ducaさんはご自身のスロープまで持参されて少しずつ歩を進めますが、ひとつ事だけでもあっという間に時間が流れて一日は終わってしまい、これを何回も、何日も、粘り強く繰り返すことになりました。

下にもぐっての作業(私は見守るだけ)を経て、ついにタンクが外れて中のフロートが取り出されると、果たしてその内部はものの見事に断裂しており、電気が流れないのだから逆立ちしたって針は動くはずもないと深く納得。
それを持ち帰られてハンダ付けされ、後日、取り外しと逆回転の作業を経て、ついに針が動き出したときは思わず拍手したくなりましたが、マフラー交換からこちら、すべてがこういう積み上げと繰り返しでした。

エンジン不調に話を戻すと、数回にわたりキャブ内のスロージェット(アイドリングにきわめて重要なものらしい)をはじめ、精密な箇所を丁寧に掃除しましたが、それでも直らず、ついには上部をバラしてのクリーンアップ、さらにはキャブの調整に一層注力されました。
ネット情報もかなり調べられた由で、キャブレーターのパイロット・スクリューを基準値に戻して本来のセッティングにリセットするところから始められ、頭痛がしてくるような排ガスにも長時間まみれながらの作業です。

そしてついに、40〜50分にわたる暖機および試走でも止まる症状がなくなり、さらに夜一時間ほど走ってみたところ、アイドリングはこちらの不安をよそに淡々と安定するようになって、どうやらこの問題も克服できた…ように今のところ思っています。
アイドリング不調が消えただけでなく、エンジンの波長にはどこか健康なトーンが加わったように感じられ、発進の際もすんなりクラッチミートできるというオマケもつきました。
オマケはそれだけでなく、強い排ガス臭やガソリン臭が無くなった…といえばウソになるけれど、かなり軽減した感じです。
もともと2CVは現代の車に比べれば、どちらかというと古いオートバイ的というか、常にそういう匂いとか機械的野生と共にある車ではありますが、とはいえあれはさすがに異常なガスが漏れ出ていたらしいと、今にして思われます。
尾籠な例えで恐縮ですが、内臓疾患の人が吐息まで臭くなるようなものでしょう。
オートバイといえば、ducaさんの趣味をシトロエンと二分するもうひとつが、イタリアのモーターサイクルの名門ドカティで、これを長年愛用され今も尚現役でいられるのですが、その貴重なノウハウが2CVの整備において、わけてもキャブレーターの取扱や調整などで遺憾なく発揮されたことは疑いようもなく、そういう恵まれたご縁が身近にあったことは感謝に堪えず、私も2CVもその幸福を喜んでいるところです。
また有効貴重なご助言をくださった由の関東のNさんにも謹んで御礼申し上げます。
まだぜんぶ終わったわけではありませんが、とりあえず今回はこれぐらいにしておきます。

ドカ田です。
chiracさんに随分持ち上げて頂いていますが、こちらこそ此処(仐寿)に来て2CVにサンデーメカニックレベルで触れるのは望外の喜びであり、感謝に尽きるモノでありますと共に、先達の方々のご教示も大変有難い事だと思って居ります。
そして、まだまだ未熟ゆえ時間はたっぷりとかかり、最も これこそが時間に追われないド素人の強みでも有り、二人で頭を捻りながらドップリと浸らせて頂いて居るところです。(笑)
有難うございます。
♪♪ ヘッドライト テールライト、旅は~未だ~終わら~ない・・・様で!
ボクもGSのキャブレター調整を覚えたいです。今のところ調子は良いですが、この先何があるかわかりませんので。
2CVは、夏と冬でセッティングを変えられますか?
atsucx25さん、ご無沙汰して居ります。。
現在、2CVのアイドリングは そこそこ良いようですが、パイロットスクリュウ戻し量は当初の 6-1/2 から 2-1/2 に変わっています。
通常、2輪では 1~2回転戻し程度で、4輪では 2~3回転くらい?の戻しではないでしょうか?
アイドリングでのスイートスポット(良回転)の範囲は、1/4~1/2 程度でしょうか? それの中央値 又はプラス1/16 くらいで決定でしょうね!
2CVはタフで簡素で実用的でファーマー達?の酷使にも耐えられるのでしょうから? 夏と冬でセッティングを変える程シビアなエンジンでは無いと思われますが・・・?
それでも 厳冬期は必要に応じて 1/16~1/8 程度プラス(左:濃)、酷暑期は気休めに 1/16~1/8 程度マイナス(右:薄)で楽しめるのでは?と思われます。(笑)
GSは、好調との事ですから、念の為現在の ”パイロットスクリュウ戻し” を確認して置かれたら如何でしょうか?
キャブ式では、通常 2~4輪共 戻し範囲は 1~3回転くらい?での構成が殆どと思われるので、大きくズレる場合 何か他の原因が有るかも知れませんね?
chiracさんにも スイートスポット 及び プラス・マイナス 1/16~1/8 の楽しみ?を是非モノにして頂きたい所存です。(笑)
ducaさん、いつもお世話になりありがとうございます。近くだったら、ボクも2CV整備を見学に行きたいです。
今までにキャブレターを弄ったのは、ベスパと刈払い機しかありませんので、未だGSのキャブレターには手をつけられずにいます。
先日、巨匠のご子息からスフィア充填器一式をいただきました。ducaさん達がお使いになっていた物かと存じます。オフ会とか機会があればお持ちしますので、こちらもご指南いただければと思います。
ducaさんの機械に対する真摯でひたむきなスタンスは、これまでもお話の中で大変なものがあることはわかっていたつもりですが、現場でひとつひとつを目撃するに及んで、あらためて脱帽しています。
コツコツとでも確実な結果を出して行かれる事実に、同じクルマ好きでも自分が持ち得なかった地平を見せられるようです。
あいにくと私では良い弟子になる見込みはありませんが、それでも驚きの連続ではあります。
atsucx25さんのお尋ねは私にはわかりませんので、ducaさんからどうぞ。
毎回2cvの記事を楽しみにしております。このクルマを巡ってのクラブのメンバーのより一層の愉しみが増えたように感じます。
僕も同じく機械いじりは苦手で不器用。作業を隣で観てても感嘆するしかありません。
デジタル全盛の今日この頃にあって、忘れ去られつつある知識や技術を駆使して作業されているのを拝見しまして遠い昔、免許を取得した頃を思い出しました。
次回を乞うご期待ですね!
駄文ですが先日首都高で、ETCカードを入れ忘れて支払いの申告の電話をしたところ、女性の方が対応され、お車は?との質問にシトロエンですと答えました。間髪入れずに2cvですか?との返事。心なしか興奮された感情を感じとりました。まずもってシトロエンと聞いて2cvと即座に返答する人は少ないと思います。。
高速道路に2cvではキツイのでは?などと野暮な事はこの際申し上げません。終話した後ほのぼのとした気持ちになりました。
知ってる人は知ってる、そんな感じです。
そういっていただけるのはお世辞でも嬉しいです。
首都高でETCカード忘れとは、聞いただけで怖い…というか、私も以前、ETCカードが期限切れでゲートが開かず後ろはつっかえエライ目にあって、それからETCが怖くなりました。
それにしても、シトロエンといったら「2CVですか?」というのはなかなか出ないでしょう。
きっと、その人の身近に2CVが存在するのでは?
先日の関東お茶会報告で2CVの前後サスペンションを結んでいる筒状の部分を「ポー」というのだと初めて知り、そのうち福岡出身の萩尾望都さんという漫画家の有名作に「ポーの一族」というのがあったのを思い出しました。
2CVに乗る人、関わる人を「ポーの一族」と呼んだら面白いかも。
GSを2.5台と2CVを2台ほど乗り継いでいます。
キャブレターの分解をされたのですね、ぼくの2CVのキャブも診ていただきたいと思いますが九州では36年前の物では走って行けそうもないです。キャブの知識はありませんが夏と冬での調整はこちら関東地方では調子が良いと思われる時はここ何年も変えていなくても大丈夫のようです。ただ、予備車検でパイロットスクリューを絞られたときは慌てて元に戻しています。調子を崩した時はパイロットをいじりたくなりますが他の原因を探したいですね。
Naさん、色々と有難うございました。
更にプロの方からの話でネジ6個外すと容易に2CVのキャブ上半分が分解出来る事が分かり、早速実行した所 殆どのジェット類や微細通路、フロート等にアクセス可能でした。
今般エアークリーナーのスポンジ崩壊も発覚し、若しかしたら此れのクズが何処かの微細通路を妨害していたかも知れず、
この為 全てのジェット類等を外し微細通路共々エアー等で充分クリーニングしました。
結局これでパイロットスクリュウ戻しのスウイートスポット範囲が従前の 6~7回転戻しから 1-1/2~3-1/2 回転戻しと標準的な?な範囲にに変化しました。
ミーンバリュー式で取敢えず中央値の 2-1/2 にセットしていますが、偶々これで運よく 2CVのアイドリングが立ち直ってくれた様です。
chiracさんのお話しでは、スタートの立ち上りも不足なく排ガス臭も低いと云う事で、今のところ このセットで経過観察中です。
Naさんの2CV予備車検でパイロットスクリューを絞られたのは、排ガス検査の為に 14.7 のストイキ(理論空燃比=完全燃焼)にされたのでしょうね。
CO2はクリーンでも立ち上がりで少し不満が出るかも知れず、それで最大パワーの12.5(出力空燃比) 辺りに少し近づけられたのですね?
今後とも宜しくお願い致します。
当方の2CVの整備にあたっては、ducaさんを通じていろいろと情報をいただいたことにも助けられ感謝しております。
キャブレターの調整後は、エンジンの呼吸が整ったように感じますので、一度ご破算にしてセッティングの仕直しをされたことが効いたようです。
ducaさんは私にさえ「ぜひキャブ調整を覚えて欲しい」と言われており、Naさんならわけなく体得される筈です。
2.5台とは…?