蓼食う虫

本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、亡くなられた巨匠Tさんの愛車である2CVを2月に譲り受け、GSはそれより少し前に熊本のディープな方の許へと嫁いでいったことはすでに皆さんご承知のとおりです。

それから9ヶ月後の11月のはじめ、残るC3を手放されることになったとのこと、よかったらどうですか?というご連絡をいただきました。
しかし、ゴルフはまだ乗るつもりで6月に車検をとったばかりだから一度はお断りしたのですが、ほどなくして福岡に所用のついでということで乗って来宅され、見ればやはり可愛くて、つい悩ましい気分に、、。
それから数日後、これも「シトロな縁」かと思うに至り、とうとう譲っていただくことになりました。

レザーシートのように見えるのは、C3用のシートカバーで、外せばファブリックのシートがあるはず。

まさか巨匠の愛車を2台も引き継ぐことになるとは予想もしなかったことで、自分でもこの成り行きには驚いています。
巨匠は存生中、ながらくメカニックさんの工場奥深くで眠っていたDS23をCCQ初期メンバーの方へ譲られ、そのころ売買情報として掲載したことを覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、晩年期の4台は一台も業者の手にわたることなく、すべて内輪で引き継いだことになります(残念ながらDSは新たな人の手に渡ったようですが)。

C3については、リアルタイムでその経緯を書こうかと思わなくはなかったのですが、あまりに痴呆的で恥ずかしく、こちらのお茶会メンバーにだけお知らせするにとどまっていました。ちなみにゴルフは乗り始めて9年目を迎えていたことも、乗り換えを決断する誘引になりました。

というわけで、佐賀へ車を取りに行ったのが11月下旬のこと。

高速バスに乗り、天神ランプから都市高速へ。博多ポートタワーは私が子供の頃からある古い塔ですが、設計は昭和の「塔博士」として有名な内藤多仲、氏は東京タワー、通天閣、名古屋テレビ塔、さっぽろテレビ塔、別府タワーなども手がけています。

佐賀市から福岡市までは距離にして60〜70km、高速、一般国道、三瀬峠ルートというドライブコース、さらにもうひとつ別の山間ルートがあるものの、このC3は走行4万キロ強でタイヤは新車時から無交換、あらためて見てみると、地割れのような深いヒビが予想以上に広がっており、見るなり高速ルートは選択肢から消えましたが、一般道はいかにもかったるそうに思っていると「三瀬峠がオススメです」と言われてこのルートで帰ることに。

で、出発してほどなく幹線道路を走っていると「、、もしかして、これはマズいのでは?、、」という暗雲が垂れこめはじめました。私の身体は、とりあえずゴルフ7の手触りとかフィールが染み付いており、むろんC3が同等とは思っていなかったけれど、その幼稚な挙動や、エンジン音その他の低級音など、あれやこれやが全身に容赦なく襲ってきて、正直あせりました。

でも、すでにゴルフは手放してしまっており、今日からこのC3が相棒になったわけだから、もう遅いのです!
さらに憂鬱に追い打ちをかけたのが、3連休中日の夕刻ということもあったようで、佐賀と福岡を結ぶこの山間コースは前半から絶望的な大渋滞で、山道ゆえ迂回路はないし、引き返すとなるとまた相当な大廻りになるし、このタイヤでは高速は走れないと思うと、このままヒシと耐え忍ぶしかありませんでした。

恐怖すら覚えるヒビ割れで、ここまでのものは初めて見たような、、、

その後、最後の最後まで渋滞が解消することのないまま福岡市内に至り、我が家に到着したのは、ナビセット時の到着予定よりも1時間以上遅れて、なんとか自宅にたどり着いてエンジンを切ったときはもうフラフラ、とりあえずベッドに倒れ込みました。ひどい渋滞に疲れたというのもあるけれど、この乗り換えは失敗だったかも、、、という思いが胸の奥に沈殿して、さらに疲労を倍増させていたと思います。

それでもなんでも、このクルマとの付き合いが始まるのだから、なによりまずタイヤ交換というのが切実だったのですが、すでに車庫証明などは下りていたから名義変更が先になり、番号は、巨匠が誕生月日で10-10とされていたらしいので、ほかにこれという番号も思いつかないから、巨匠への敬意を込めて同じ10-10としました。

名義変更完了で福岡ナンバーに。それに要する各窓口の往復と書類書きの煩雑さは大変なもので、わざと不便にしているのでは?と疑ってしまうほど。後ろはいつもドキドキさせられる車検場。

すでにタイヤ選びが始まっていたのはいうまでもなく、近年はバッテリーと同様、タイヤもアジア製が当然みたいになっているから、価格を睨みながらそこそこのものを探しだすことに注力します。、、、続きは次回に。


というわけで、これから折々その経緯を書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合い願います。
ちなみに、2CVではタイトルを漱石からとって「それから」としていましたが、今回のC3では、人の好みはそれぞれという意味も含めて谷崎潤一郎の「蓼食う虫」としました。

というのも、C3はクルマとしてとくだんほめられるようなところはあまり見当たらないけれど、とにかく可愛いくて、心情的にも愛おしさのようなものを刺激してくるところあり、大概のことは「ま、いいか、、仕方ないね、、」と思わせられるからで、乗り進むうちはじめの悪印象がいくらかは持ち直してきています。

ガレージに3台のシトロエンというのもイカれているのはむろんですが、そこにハイドロが一台もないとは、まさに蓼食う虫というべきだろうと思いますが、ま…そういうことなんです。

それではまた!

追加写真、サイドウォールもごらんの通り、かわいいビバンダムもなにもかも、ホラー映画のよう、、、

蓼食う虫」への10件のフィードバック

  1. 思わず吹き出してしまいました(笑)「やったったなあ」というのが正直な感想です。巨匠のガレージで拝見した最後のシトロエン、薄いブルーが福岡の街にお似合いです。

    • まったくなんともお恥ずかしい限りです。
      5年前にハイドロをやめて、少しはまともな方向に軌道修正したつもしでしたが、結果はこの有様、いったん身についてしまった阿呆道は抜けられないようです。
      続編も書いていますので、ぜひまたご覧ください!

      • 泥沼は抜けられないですね。理解のある奥様に乾杯!
        うちも現在、Xmが2台とGSの3台ですが、近日中にCXが加わる予定です。そのうち、SMにも手を出したいと思っていますので、まだまだ通過点です( ´艸`)

  2. それにしてもニトログリセリンみたいなタイヤですねー!
    ご無事で何よりでした。(笑)
    キュートでシックなカラーのC3にエールを送ります。soutenir(スウトゥニール:応援)
    タイトルも其々深いし! 三科族種?揃い踏みで宜しいのではないでしょうか?

  3. タイヤの写真を追加しています。
    スマホぐらいの小さなものなら記念にひとつもらって帰るところですが、さすがにタイヤじゃそうもいきません。
    ボディカラーはアーモンドグリーンというんだそうで、色にこだわりの強い私としては、結構気に入っています。
    タイトルは同じ谷崎でも『痴人の愛』としたかったのですが、いささかベタすぎてやめました。

  4. めっきり朝が冷え込むようになりました。お変わりないようで何より。
    また可愛いクルマを引き取りましたね。個人的には素敵な色だと思います。巷には馬鹿みたく白と黒のクルマが多い中、これは目立ちます。クルマの基本性能はさておきシトロエンは可愛いですよね。
    そしてシトロエン3台体制になりましたね!
    次回お会い出来ますこと愉しみににしております。

    • あいかわらずバカなことをやっております。
      昔にくらべて楽しい色がなくなったのは、つまらないですね。
      クルマだけでなく、赤信号で行き交う歩行者などを見ていても、大半は白か黒の服装ですよ、、、今どきは。

  5. atsucxさん、幅が狭くなるのでこちらから。
    えええ、近日中にCXですか???
    私は自分を救い難いビョーキだと思っていましたが、なんのことはない、ちょっと風邪をこじらせたぐらいだったというのがわかりました。
    CXはどういうモデルですか?

    • CX Sr.1 前期ナローボディ です。写真でしか見ていないので詳細は後ほど。好事家が断捨離されたので保護することになりました(;^_^A

  6. おおお!
    ナローボディとは、CXの場合、サイドのモールのない茹で卵のようなあれということですか?
    いずれにしろ、シトロエンの海でも、相当に深海エリアですね。

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