湿式タイミングベルト

タイミングベルトの交換は、一般的にも軽くはない課題ですが、C3にはさらに固有の問題がありました。

搭載されるのは1.2L−3気筒ターボ PureTechエンジン、プジョーやDSなど幅広く使われるエンジンですが、タイミングベルトは湿式というエンジンオイルの中で動作する構造で、その耐久性は当初10年12万km(一説には20万km)などと謳われていたのが、徐々に下方修正され現在ディーラーでは5年9万kmの交換を推奨しているとか。
日本車だったら大失態でしょうが、シトロエンでは特に珍しくもない話です。

固有の問題とはベルトがオイルで膨張し、そのクズがエンジン内部を回ってストレーナー等を詰まらせる場合があるとかで、早めの交換が推奨されているようですが、乾式タイミングベルトより交換作業の難易度が高いとのこと。

我がC3は現在9年目、走行46000キロを超えていますが、記録簿にも交換された記述はなく、古いベルトが今もエンジンオイルの中でぐりぐり回っていると思うと、5年のところがおよそ2倍だから、普通に切れる心配もあるし切迫感が増してきます。

入梅の頃だったか、Sさんがご自身のパーツ類を海外発注されるというので、夏に向けてエアコンフィルターを交換すべきだろうし、その他オイルフィルター類も必要だから、相乗りさせていただく相談をしていると、「タイミングベルトも注文しなくていいんですか?」「そうですねぇ、、じゃあ」「だっらたVベルトも交換したほうがよくないか?」「そうですねぇ、、じゃあ」となって、これらが注文リストに加わりました。

タイミングベルト交換セット/Vベルト/エアコンフィルター/オイルフィルターなど

いっぽう、ducaさんによると交換には専用工具が必要とのことで、こちらはducaさんに探していただくことになり「安いが、ちゃんと使えるもの」というのをAmazonから購入。

部品も揃い、専用工具もゲット、というわけで主治医殿へ交換作業の話を持ちかけると、少し調べてみますねとなり、その後、湿式ベルトの交換は経験がないから今回は難しい、、とのこと。
この主治医殿は、昔はシトロエンディーラーのメカニックだった人で技術面の不安はないものの、シトロエンを離れて年月も経っているし、作業環境および時間的な制約などを考え合わせて、やむを得ない次第となりました。
というわけで、工場の目処が立つまでひとまず棚上げにするところですが、タイミングベルトばかりは「切れる=ご臨終」だから、ゆったり構えるわけにもいきません。

タイミングベルト交換用の専用工具

その他の工場も、湿式ベルトの交換はあまりやりたくないようで、最後の最後はディーラーに依頼するしかないのでは?という意見も聞こえはじめますが、そうなると揃えた部品類はムダになるし、純正部品+工賃となれば安くはないだろう、、、そのあたりをAIに聞いてみたら、やはりそれなりのまとまった額になりそうで悩みは深まるばかり。
そんな折、Sさんから「あのエンジンはリコールがあったはず、、」と教えられ、翌日ディーラーへ問い合わせることに。

果たして「該当している」とのことで、まずは状態を確認させて欲しい、交換するか否かはその結果しだいとのこと。
例によって、ディーラーは何をするにも予約制だから、すぐに予約をして一週間後に赴きました。
フロント担当者によると、ベルトのチェックに要するのは約10〜15分、交換の場合は部品を発注するため日を改めての入庫となるが、異常なしの場合はこのまま引き続いてコンピューターの書き換え(約一時間)となります、よろしいでしょうか、とのことで車は工場に連れて行かれました。

それから15分経ち、30分が過ぎていったから「さては、異常はナシで、コンピューターの書き換え中なんだろう、、」と思いつつ、たまたま仕事の帰りということでSさんも来られて、お茶を呑んだりDS No8を見たり、プジョーのショールームを眺めたりして過ごしましたが、そろそろ1時間になるという頃、担当者が戻ってきて「ベルトを交換させていただくことになりました!」というのを聞いて、思わず目がパチクリなりました。

なんでも、ベルトの状態そのものは異常はなかったけれども、年式からいっても交換のほうがご安心かと思いますので、、という口上で、さらにその場で作業日の予約まで促されて、8月に入ってからの作業に決定。
ひとまず安堵のはこびとなりました。

それは結構だったけれど、作業効率からいっても、Vベルトやウォーターポンプの交換は併せて依頼したいところだけれど、ま、最大の懸案であったタイミングベルト交換をリコールでやってもらえるだけでも、大いにラッキーだと思わねばなりません。

ちなみに、湿式ベルトの状態を見るには、専用ゲージを用いて厚み(幅?)などから判断するようで、7月お茶会の席でducaさんが徐ろに取り出されたものは、その器具を2種自作!?されたというもので、いつもながらびっくりです。
「ベルトの幅が16mmだから、1.62mmに仕上げました」とのことですが、「リコールで必要なくなったから、これは差し上げます」と云われるので、せっかくなのでありがたく頂戴して帰りました。それにしても、金属を切ったり曲げたりして0.2mmの精度を出す技術とはどういうものか、まったくナゾです。

左;市販の専用工具 右;ducaさん手製の工具2種

ところで、そんな湿式ベルトの技術的意義は何なのかAIに聞いてみると、乾式より摩擦が少なく、燃費や静粛性を向上させるから静かで滑らか、オイルが潤滑・冷却を兼ねるため摩耗を抑え効率を高める、ベルトが伸びないからタイミング精度が高い、軽量で慣性が小さい、、等々とのこと。

たしかにこのPureTechエンジン、回転が非常に軽やかでパワーもあるのが特徴で、そこは納得できるけれど、燃費は特に優れているとは思えないし(ゴルフ7の1.2ターボのほうが明らかに上)、一長一短でなく一長二短というぐらい?
では湿式ベルトはよほどの欠陥か?というと、そう目くじら立てて非難するほどでもないだろう、、というのが正直なところでしょうか。

探せば交換できる工場もなくはないようだし、いわゆるオーナーの覚悟と忍耐を問われるような重大深刻なものではないし、意外に魅力的なエンジンフィールの代償としては、まあ許せる範囲じゃないかと思います。
交換が済んだら、またご報告します。

↓オマケ

DS No8 大胆な姿が目を引かずにおかない高級車 床一面バッテリーが占めるEVであるため、かなり床が高いようです。
ホイールは21インチで、相対的にタイヤが大きく室内が薄いような印象
パッと見るとエアクロスかと見紛うほどボリュームのある現行C3
ベルランゴはマイナーチェンジ後、リアのダブルシェブロンが無くなったんですね!
同型異車がいるのだから、とくに必要なのでは?という気がしますが、、なぜだろう?

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