蓼食う虫-2

タイヤを何にするか、これは車好きにとっては悩ましくも楽しいものです。
とくにアジアンタイヤは、低価格と性能をいかに見立てるか、独特な冒険的なワクワク感が伴います。

ゴルフではMOMOやナンカンも使いましたが、最後に履いていたハンコックのオールシーズンはとくに上質感もあり、韓国製タイヤは近年欧州車の新車装着タイヤとしても認められているというのも頷けるものがあります。
で、韓国製タイヤにするつもりだったのですが、この面での草分け的存在でもあるSさんによると、COOPER(アメリカのブランド、中国製)がちょうどセールになっているとのこと。

COOPERは、SさんのBMW325iに着けられたのがかなり上質な印象だったから、ならばとこれに決めました。

さっそく交換店の予約、当日はリアシートを倒し、使いふるしのシーツを広げ、届いたタイヤを積み込んでいざ交換へ。

作業は30分少々、ついにヒビ割れタイヤとおさらばして走り出したら、意外に硬目の印象で「ん!?」となり、、、帰宅してすぐ空気圧を計ったところ、概ね2.6〜7ぐらい。
C3の指定空気圧は2.3barで、冬場は走れば0.1ぐらい上がるからまずは2.4にして、あとは段階的に下げては試走を繰り返し、ついに2.0barにしたら、いくらか当たりが穏やかにはなったけれど、基本の骨太さみたいなものが残ります。

このCOOPER ZEON RS3-G1というのはスポーツ指向のようで、届いたときサイドウォールの硬さが少し気にかかっていたのが、やはりそのような乗り心地でした。
とはいえ、しっとりして回転もとてもきれいだから、これはハイドロ向きのタイヤではないか?と思ったり、、、

皆さんには釈迦に説法ですが、ハイドロはよりソフトな乗り心地を目指して柔らかいタイヤをつけると、はじめは好印象に思えても、だんだん期待にそぐわない結果となることはないでしょうか?
ハイドロが柔らかいタイヤの介入をあまり好まないのか、あのオイルとガスのもたらす官能的なフィールを引き出すには、むしろ腰のあるしっかりしたタイヤであるほうが適切なのではないか?と思ったことは一度や二度ではありません。
空気圧にしても同様、低めにすると逆にドスンバタンというフィールになるように感じるのですが、、どうでしょう?

…これは本題からも逸れるのでこれぐらいにしておきます。
C3の日本仕様のタイヤサイズは205/55R16、限定車等には205/50R17というのさえあり、これは初代C4カクタスも同様、ちなみに先ごろ発表された新型C3も205/50R17とのこと。

205/55R16は一回り大きいゴルフがまったく同じであったし、SさんのBMW325iでも指定サイズとのことで調べてみると、アルファロメオ166とかランチア・カッパとか、メルセデスEクラスとか、クラウンアスリートといった大型車の名がいくつも出てきて、これだけでもC3のようなBセグメントカーには過剰サイズではないか?という疑念は拭えません。

実はducaさんから早い時期にこの点を指摘され、すこし細いタイヤにしませんか?とやんわり提案されたのですが、私はけっこうオリジナル主義であるため耳をかさなかったことも、のちに悔やまれることになります。

過剰サイズではないか?と思われる症状としては、乗り心地がドタドタして車体が不必要に揺すられるし、なにより耐え難いのは路面状況によってチョロチョロとハンドルを取られることでした。

他の何を我慢しようとも、いやしくも前後にダブルシェブロンを戴いた車が、直進性に難があるのは容認できません。

それからというもの、空気圧と乗り心地/操縦性(安定性)の最良の妥協点を探るべく、来る日も来る日も空気圧を足したり抜いたりする日々を送りましたが、多少の変化はあるものの根本的な解決とはならず、輾転反側を重ねた末、ついには細いタイヤに履き替えるしかないという結論に達してこれを敢行することになりました、、あーあ。

アジアンタイヤがお安いことは、こういうとき経済的損失が最小限で済むことはせめて救われるところで、これがミシュランやBSなどを奮発していたなら、さすがそうも行かないでしょうね。

お茶会でkunnyさんのC3エアクロスと。ボディは違えど、同じ目つき。

蓼食う虫

本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、亡くなられた巨匠Tさんの愛車である2CVを2月に譲り受け、GSはそれより少し前に熊本のディープな方の許へと嫁いでいったことはすでに皆さんご承知のとおりです。

それから9ヶ月後の11月のはじめ、残るC3を手放されることになったとのこと、よかったらどうですか?というご連絡をいただきました。
しかし、ゴルフはまだ乗るつもりで6月に車検をとったばかりだから一度はお断りしたのですが、ほどなくして福岡に所用のついでということで乗って来宅され、見ればやはり可愛くて、つい悩ましい気分に、、。
それから数日後、これも「シトロな縁」かと思うに至り、とうとう譲っていただくことになりました。

レザーシートのように見えるのは、C3用のシートカバーで、外せばファブリックのシートがあるはず。

まさか巨匠の愛車を2台も引き継ぐことになるとは予想もしなかったことで、自分でもこの成り行きには驚いています。
巨匠は存生中、ながらくメカニックさんの工場奥深くで眠っていたDS23をCCQ初期メンバーの方へ譲られ、そのころ売買情報として掲載したことを覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、晩年期の4台は一台も業者の手にわたることなく、すべて内輪で引き継いだことになります(残念ながらDSは新たな人の手に渡ったようですが)。

C3については、リアルタイムでその経緯を書こうかと思わなくはなかったのですが、あまりに痴呆的で恥ずかしく、こちらのお茶会メンバーにだけお知らせするにとどまっていました。ちなみにゴルフは乗り始めて9年目を迎えていたことも、乗り換えを決断する誘引になりました。

というわけで、佐賀へ車を取りに行ったのが11月下旬のこと。

高速バスに乗り、天神ランプから都市高速へ。博多ポートタワーは私が子供の頃からある古い塔ですが、設計は昭和の「塔博士」として有名な内藤多仲、氏は東京タワー、通天閣、名古屋テレビ塔、さっぽろテレビ塔、別府タワーなども手がけています。

佐賀市から福岡市までは距離にして60〜70km、高速、一般国道、三瀬峠ルートというドライブコース、さらにもうひとつ別の山間ルートがあるものの、このC3は走行4万キロ強でタイヤは新車時から無交換、あらためて見てみると、地割れのような深いヒビが予想以上に広がっており、見るなり高速ルートは選択肢から消えましたが、一般道はいかにもかったるそうに思っていると「三瀬峠がオススメです」と言われてこのルートで帰ることに。

で、出発してほどなく幹線道路を走っていると「、、もしかして、これはマズいのでは?、、」という暗雲が垂れこめはじめました。私の身体は、とりあえずゴルフ7の手触りとかフィールが染み付いており、むろんC3が同等とは思っていなかったけれど、その幼稚な挙動や、エンジン音その他の低級音など、あれやこれやが全身に容赦なく襲ってきて、正直あせりました。

でも、すでにゴルフは手放してしまっており、今日からこのC3が相棒になったわけだから、もう遅いのです!
さらに憂鬱に追い打ちをかけたのが、3連休中日の夕刻ということもあったようで、佐賀と福岡を結ぶこの山間コースは前半から絶望的な大渋滞で、山道ゆえ迂回路はないし、引き返すとなるとまた相当な大廻りになるし、このタイヤでは高速は走れないと思うと、このままヒシと耐え忍ぶしかありませんでした。

恐怖すら覚えるヒビ割れで、ここまでのものは初めて見たような、、、

その後、最後の最後まで渋滞が解消することのないまま福岡市内に至り、我が家に到着したのは、ナビセット時の到着予定よりも1時間以上遅れて、なんとか自宅にたどり着いてエンジンを切ったときはもうフラフラ、とりあえずベッドに倒れ込みました。ひどい渋滞に疲れたというのもあるけれど、この乗り換えは失敗だったかも、、、という思いが胸の奥に沈殿して、さらに疲労を倍増させていたと思います。

それでもなんでも、このクルマとの付き合いが始まるのだから、なによりまずタイヤ交換というのが切実だったのですが、すでに車庫証明などは下りていたから名義変更が先になり、番号は、巨匠が誕生月日で10-10とされていたらしいので、ほかにこれという番号も思いつかないから、巨匠への敬意を込めて同じ10-10としました。

名義変更完了で福岡ナンバーに。それに要する各窓口の往復と書類書きの煩雑さは大変なもので、わざと不便にしているのでは?と疑ってしまうほど。後ろはいつもドキドキさせられる車検場。

すでにタイヤ選びが始まっていたのはいうまでもなく、近年はバッテリーと同様、タイヤもアジア製が当然みたいになっているから、価格を睨みながらそこそこのものを探しだすことに注力します。、、、続きは次回に。


というわけで、これから折々その経緯を書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合い願います。
ちなみに、2CVではタイトルを漱石からとって「それから」としていましたが、今回のC3では、人の好みはそれぞれという意味も含めて谷崎潤一郎の「蓼食う虫」としました。

というのも、C3はクルマとしてとくだんほめられるようなところはあまり見当たらないけれど、とにかく可愛いくて、心情的にも愛おしさのようなものを刺激してくるところあり、大概のことは「ま、いいか、、仕方ないね、、」と思わせられるからで、乗り進むうちはじめの悪印象がいくらかは持ち直してきています。

ガレージに3台のシトロエンというのもイカれているのはむろんですが、そこにハイドロが一台もないとは、まさに蓼食う虫というべきだろうと思いますが、ま…そういうことなんです。

それではまた!

追加写真、サイドウォールもごらんの通り、かわいいビバンダムもなにもかも、ホラー映画のよう、、、

偉大な栄冠

今年も残すところ数日となりました。
年内にアップしようと思っていたのが、ギリギリになりました。

中学生の頃から欠かすことなく購読していたCG誌(カーグラフィック)をやめておよそ3年…書店で手にしても、さすがに「もう一度」という気にはならず、最近はたまにバックナンバーを引きだしてパラパラやるぐらいですが、面白い号に行き当たりました。
CGの創刊は1962年で2022年はその60周年にあたり、同年5月号では『投票で選ぶ偉大なる自動車デザイン』と題する壮大な企画が誌上を賑わせています。

CGと縁のある内外の各ジャンルの人たち総勢175名による投票で「最も偉大な自動車デザイン」を感情のおもむくまま5台以上10台以下選出するというもので、時代/国の内外も不問、たったひとつ課される条件は「路上を走ることのできる市販車」というもの。
創刊60周年にちなんで60台、60位から1位まで、実に54ページにわたって解説を交えながら順次発表されています。

そして、その栄えある第1位に輝いたのはシトロエンDSなのでした!
我々にしてみればどこか当然のように思うところもあるけれど、対象は古今東西すべての市販車という、途方もない地平の中から選ばれた結果であることを考えると、やはりこれはすごくないですか?

以下、第2位ランボルギーニ・カウンタック、第3位ミニ(BMC)、第4位VWゴルフと続きますが、それ以外のシトロエンはというと、第14位2CV、第25位CX、第27位SMの4台で、SMよりCXのほうが上位というのも少し意外でした。

それ以外のフランス車では、第23位ルノー5、第33位アルピーヌA110(初代)、第55位ルノーアヴァンタイム、ほかに第30位と第37位が戦前のブガッティ、そして第60位プジョー205というわけで、あたまとしっぽをフランス車で挟んでいます。

最多はフェラーリの6台、次いでアルファロメオの5台、ポルシェは911と356の2台であることを思うと、シトロエンの4台というのはなかなかのものだし、なんといっても第1位を獲得ですからね!!!


ちなみに、前月の4月号は『投票で選ぶ偉大なるスポーツカー』で、こちらはポルシェ911が第1位に輝いています。

スポーツカーは定義が難しく、動力性能、操縦性、ドライバーが享受する喜び、様々な実績や製造期間、歴史的意義なども「偉大さ」の要素になるから、デザインに比べると判断が多様で複雑になることは避けられない。

911が選ばれたのは、歴代モデルが「911」の名のもとに半世紀以上にわたって今なお作り続けられていること、また常に第一級の性能を有しながら日常使用にも堪える実用性をも備え、唯一無二の個性とカリスマ性を有し、それを駆る喜びにあふれること、さらには一貫してRRという特異なレイアウトを貫いている点なども思慮されたのだろうだと思います。
関東支部にはこちらのプロがおいでだから、拙い私見を述べるのはこれくらいにしておきます。

また、この分野では日本車がひとつの勢力であったらしいことは意外で、第2位マツダ・ロードスター、第5位ホンダNSX(初代)、第7位日産スカイラインGT-R(R32〜R34)、第10位ホンダS500/S600/S800、以下マツダRX-7、フェアレディZ、トヨタ2000GT、レクサスLFA、レビン/トレノ、トヨタスポーツ800、GT-R(R35)、ビート、ランエボ、インプレッサ、インテグラタイプR、S2000、シビックタイプR、RX-8、シルビアと実に18台が居並んでいるのは驚きでした。

さらに意外だったのは、さも上位争いをしそうなフェラーリが10位以内に一台も入っておらず、第13位でようやくF40が登場します。
モデル数が多いぶん票が割れたともいえますが、ヴィンテージフェラーリの金字塔である250GTOでさえ第38位にすぎず、『偉大なるスポーツカー』はいかようにも評価が成り立つ(あるいは分かれる)という点で、判断は簡単ではないようです。

昔はスポーツカーたる要件は2座オープンであるとされていたり、ポルシェも911をスポーツカーではなくツーリングカーだと公言していたし、はたまたレーシングカーはスポーツカーなのか?というような解釈が際限もなくでてくるので、とにかくややこしいのです。

その点、「デザイン」ははるかにシンプルかつ明快で、よってDSの第1位は異論を挟む余地が少ないようにも思います。

3年以上も前のことだから、とりたてて新しい話ではありませんが書いておくことにしました。

それから-8

9月なかば、zewsさんが福岡お茶会に参加されるにあたって、2CVのリクエストをいただきました。しかし9月はまだ暑さも厳しいから難しいことをお伝えしつつ、万にひとつを考えてガソリンだけは入れておこうと、敬老の日の夜、約3ヶ月ぶりに少し走らせました。

エンジンは最初のアタックで掛かったものの、寝起きということで始めはソロソロと慎重に走りましたが、これといって不都合はないらしく、思いのほかケロッと機嫌よく走ってくれました。
なんといってもducaさんのすばらしいキャブ調整その他のお陰が大いに効いているけれど、2CVが生まれながらに頑丈であることも疑えないところで、乗って愉快なだけでない、根本にある逞しさもこの車の大きな特徴であり存在理由であったことを思わないではいられません。

今でこそかわいらしい趣味の車として生きながらえているけれど、半世紀にわたってフランスを中心に軽便な移動手段として無数の2CVとその派生型が使われた実績があり、まさに労働車であったことが偲ばれます。

…そんな2CVの逞しさとは真逆の私はというと、暑いのは人一倍苦手であるし忍耐力もないから、腰を上げるまでかなりの決心を要しましたが、それでも動き出してしまえば走り回りたいほうで、この際あちこちまわってみようと思ってもいたけれど…やはり甘くはありませんでした。
日が落ちているとはいえ、湿気を含んだ重い風(というより熱風に近い)を浴びて全身くまなく汗ばんでくるともうダメで、帰って水浴びでもして着替えたいという気持ちに勝てなくなります。

かくして、ひさびさの夜の散歩は給油を含む1時間足らず、わずか20kmほどで終わって再び動いていませんが、さすがに10月に入るとだいぶ過ごしやすくはなりました。

じつは巨匠号にはスペアーキーがなく「どこかにあるはずだが行方不明」とのこと、見つかり次第ご連絡いただくことになっていましたが、一向にそんな気配もないし、ひとつきりでは心もとないからネットでブランクキーを購入していました。
しかしカットを頼もうにも、街の鍵屋に問い合わせると片っ端から断られました。理由は「カット作業だけは受けていない」「万一失敗した場合の責任が持てない」というもの。

夏前のことで、どうせしばらく乗らないからと中断していましたが、最近になってようやくベテランの職人さんがやっている個人経営の店に辿り着き、先週ついに削ってもらいましたが、2CVはエンジン、ドア、給油口がそれぞれ別のキーで、大小3本がワンセットとなるから、工賃も3本分。

鍵屋のご主人は「これは(エンジンキー)珍しいですねー!」などと、手を動かしながら大いに雑談してくる人で、ミニクーパーが同じですよとか、イタリア車は鍵もいい加減であれは困るとか、ドイツ車はさすがだとかの話をされますが、最近の車は我々もわからないことばかり、中古車店などから出動要請があってもすぐに作業ができない、盗難も非常に増えている、など。

そこで思いがけないことを聞いたのですが、アイドリングストップ機能が普及するにつれて、それ由来の事故がかなり増えたのだそうで、あー、だから廃止の方向に向かっているのか!とひとり得心しました。
私はてっきり、わずかの燃料節約とバッテリーやスターターの消耗が割にあわない故のことだろうと思っていたし、お茶会などでも大方そのような見立てだったから、これは思いがけない話でした。

いわく、特に交差点内の事故がずいぶん増えたらしく、エンジン停止からペダルを踏み換えて再始動→発進するまでの、ひと呼吸ふた呼吸が遅れることで発生する事故とのことで、大いに納得!
なるほど事故というのは、ほんの一瞬の呼吸の掛け違えみたいなことが引き金になるもの。

「これは警察も自動車メーカーも絶対に言いませんけど、みんな知ってますよ!」と業界では常識みたいな話っぷりだったから、おそらく保険会社のクレームなどもあり廃止へつながったのかも、、、ま、真偽の程はわからないし、あるいはさも本当らしい都市伝説かもしれませんが、妙に納得してしまいました。
〜そうこうするうち、鍵のカットが終わりました。

↑おまけ。新しい鍵のキーホルダーを探していたら、以前ものが抽斗から出てきました。Xm〜C6で長く使っていたものですが、白のボディは擦り切れてほぼ2トーンカラー状態。2CVだからこれを使おうかと思ったものの、気がついたらなくなっていそうで今さら不安になり、ひとまず古い鍵はスペアーとして紐で結わえて一緒に抽斗に戻しました。

ちなみに「アイドリングストップ 廃止」で検索すると、AIによるいくつかの回答が出てきますが、事故のことは一切触れられておらず、「停車時のエンジン再始動時の音や振動、発進時のタイムラグ、停車中のエアコンの効きが悪くなることなど、ユーザーから不満の声が多く寄せられています。また、右左折や一時停止など、スムーズな発進をしたい場面でアイドリングストップが煩わしく感じられることもあります。」とあるから、いかにも言外に真実が秘されているようにも思えますがどうでしょう?

トホホ

C5エアクロスに乗りはじめて5年目を迎え、時の流れの早いのに驚きます。
今回は、最近のクルマで当たり前のCarPlay/AndroidAutoに関するトホホなお話。

車両を購入したのは2020年、楽天モバイルが急拡大をはじめた頃だったのか「今ならタダでスマホが使えるらしい」という話を聞き、ならばクルマ専用にしよう!と契約したのがコトの始まりでした。

スマホはシャープのAQUOS、まず私はこの種の理解や扱いが「超苦手」で、自慢ではありませんが自分でもイヤになるほど低レベル。さらに自宅はiMacとiPad、スマホはiPhoneとApple一色だったのが、Androidはまるで勝手が違い、ちょっとした画面の出し方ひとつからわからないし、iPhoneで覚えたことのほとんどが役に立ちません。
とはいえ、入手した以上はどうにかしてクルマに繋ぎ、音楽を鳴らし地図アプリをモニターに映すところまで漕ぎ着けないと!という一念で、そのため神経はすり減らし、脂汗が出る思いでした。

なんとか繋がるところまで到達したものの接続状況は信じがたいほど気まぐれで不安定、ちょっとした振動や何かの拍子にスマホに手が少し触れただけでも、パッと通信が切れてしまうなど腫れ物に触るよう感じです。
エンジン始動後かなり走っても、待てど暮らせど繋がらないこともしばしばで、そのたびに接続コードを挿し直す、スマホを再起動する、赤信号でクルマのエンジンを再始動してみる、はては接続コードが悪いのかもとこれを何度も買い直したりしたけれど変化はなく、いつの間にかこれが日常になりました。

Androidも使っているうちに慣れてくるだろう…と思ったのは(少なくとも私の場合)大間違いで少しも馴染めず、ついには操作するだけで気が滅入り頭痛がするようになり、ゆっくり触ってみることもしませんでした。

楽天モバイルは電波状況が芳しくないといううわさもあり、なにしろ基本はタダなんだから多少のことは仕方がないとしても一向に改善の気配もなく、どうかすると繋がる→切れる→繋がる→切れるを数秒ごとに繰り返すこともあり、AQUOSがそこまでデタラメな製品とも思えないから「これはもしやクルマ側の問題なのでは…」という考えが頭をかすめるようにもなりました。
信頼性はむかしとは雲泥の差とはいえ、そこはやっぱりダブルシェブロンであることを思うと自信はなくなり、、、やはり車両側の問題ではないか!?

ディーラーに持ち込むことも考えたけれど、こんな電気的な再現性のないことにすぐ集中してとりかかってくれるとも思えないし、なにかと後回しにされ、長期入院となればその間ずっと野ざらし、本国発注の部品交換になったり、それがもとで他に電子的な不都合や悪影響が及ぶ可能性だってあるかも、、、
そうこうするうち保証期間の3年は過ぎ、延長保証はしていなかったから、以降は高額な自己負担になるかも…などと考え出すといよいよ足は遠のき、ついにこの件でディーラーに相談はしませんでした。

また、楽天モバイルの無料期間もとっくの昔に終了しており、お安いながら料金が発生していることなど、あれこれと考えるだけでも憂鬱になって、早い話が現実から目を背けるようにしてまた使い続けることに。


さらに時は流れ、今年の5月、KunnyさんがC3エアクロスを購入されました。
お茶会で乗せていただいたとき、センターコンソール奥のUSB差込口で小さく光るものが目に止まり、何だろう?と思って尋ねると、スマホとクルマを結ぶ発信機のようなもので、Bluetoothで繋がってコードレスになるから大変便利とのこと、そういうことにからきし疎い私は、へえー!というわけでさっそく購入してみることに。

いわれるままAliExpressを見ると、似たような製品がズラリと出てきて、値段は概ね3000円前後といったところ。

注文から一週間も経たないころ、シワくちゃの汚い封筒に入れられて「それ」が届きました。
さっそくクルマに差し込みますが、それにもペアリングとやらのちょっとした設定があり、まごついているのをKunnyさんが助けに来てくださったのですが、繋がったのはiPhoneだけでAndroidはどうしても反応しませんでした。

それで仕方なくiPhoneを数日使ってみたら(実はこのとき初めて!)、あっけないほど快調なことに唖然となりました。車に乗ってエンジンを掛けると、はやくもカバンの中のiPhoneとやり取りしてパッと繋がっているし、長年悩まされた途中で切れるといった悪夢のような症状もゼロ、結局クルマ側の問題ではなかったようで…そのこと自体は良かったけれど、Androidもしくは端末が原因だったことはもはや疑いようもない。
これまでの時間があまりに馬鹿みたいで、せめて一度でもiPhoneに繋いでみれば…と思うと、それさえしなかった自分の怠慢と無策と愚かさに腹が立ったというか、呆れたというか、、、

そうだとわかればAndroidなんぞ一日でも早く厄介払いしないではいられなくなり、調べると解約の手続きはネットから自分でするのがルールとのこと。こうなった反省もあって、今度ばかりは手続きに全力投球することに。ところが、これがどう足掻いてもダメでログインさえできず最後の格闘、しかし私の手に負えることではないことを察し、その勢いで店舗へ乗り込みました。

なんと、そこでもこの端末は頑として反抗姿勢を崩さず、店員さんも一時間近くも真顔でがんばってくれたけれどついにお手上げ、やむなく店舗からセンターのようなところとやり取りをして、最後は大元から強制終了するかたちで解約と相成りました。
この端末がどうしようもない「外れ」だったようですが、とはいえ4年半も延々と放置し続けたのは自分の責任です。

解約からひと月ほど、電源の切れたスマホが机の脇に放られてうっすら埃を被っているのが、すべてが終わったホラー映画のラストシーンみたいですが、ふと「楽天」という字義を調べると「自分の境遇を天の与えたものとして受け入れ、くよくよしないで人生を楽観すること」とのこと!!!


iPhoneに変えて落ち着いてみると、地図が選択できることも(今ごろ!)わかりました。以前はカーナビを単体で購入し取付を頼んで、それだけでも嬉しかったのが、今では携帯をつなぐだけ。面倒な地図の更新も必要ないし、さらに数種から選べるなんて思いもよらなかったこと。でも、昔のどこか不自由でガマンを伴っていたころのほうが、ずっと楽しくてワクワクできたことも事実。すごいばかりで、カサカサしたつまらない時代。

※なぜかうまくキャプションが入らないからこちらから。
(上)iPhoneにあるAppleのMap。道筋が太くてわかりやすいが、昼間は色調の関係で見づらく、画質がやや荒い。
(中)Yahoo!Map。まあ無難な感じで、こちらも画面がやや荒い。自車の向きがなぜか下向きになっているけれど、動き出せば直る。
(下)Googleマップ、画質は最も繊細で色調も良いけれど、雰囲気はやや無機質で、道幅の表示などは変化に乏しい。
ナビ機能を比較するまでには至っていません。

静伝記

2CVの作業の必要からホームセンターに行くことになり、久しぶりにducaさんのC5に同乗させていただきました。

いまさらですが、ducaさんはメカに通暁されているだけでなく、とりわけ乗り心地に対するこだわりと研究・実践において、クラブ内では最も研鑽を積まれているおひとり。

さて、車の乗り心地や質感はものの数メートル、タイヤが少し転がっただけで感知できることがあり、すぐに「おっ!」と思いました。距離が進むにつれ、以前との違いをいよいよ確信、ご自身も控えめながら敢えて否定もされませんでした。

ふっくらして、角が丸く、大小の凹凸やうねりを乗り越えるたびにフワリと波に乗り、恰幅もある。すみやかに元の姿勢に戻る始末もあって、酩酊的に揺れるわけでもない。

タイヤは比較的硬めの銘柄、さらに交換時期も遠くないと思われる状態で、私は日頃から乗り心地において、過度にタイヤに依存するのは違うように思っているので、その点も大いに得心のゆくところでした。

細かいことは秘事かもしれないし、そもそも私には説明しろと言われてもできませんが、まるで家元の茶室に招かれ、その結構なお点前に与ったようでした。

一説には、ハイドロらしさを堪能するには、リアがマルチリンクではないほうが好ましいと見る向きもあるようで、なるほど一理あると思いつつ、こういう体験をするとまた混迷を深めるばかり。いずれにしても、ハイドロの美味に舌鼓を打ちました。

これだけハイテクが進歩を極める中、ハイドロの真価がどこにあるのか?とあらためて問うてみると、私なりの答えは、その乗り味の中に漂う「威厳と品位」ではないか…と思ってみたり。
これは、電子の力が最も苦手な領域だとすると、今後もなかなか手に入らないでしょうね。

それから-3

このところ少しずつ走ってみるようになり、最近の様子など。

エンジン調整、マフラー交換、ヒーターダクト類の締め付けなどを経て、とりあえず問題なく走ることができるまでに。
エンジンストールについては、先月のことでしたがT氏のご子息が所用で福岡にお出での際、「ちょっと見てみましょう」ということで我が家に立ち寄られました。

始動性はよく、ほとんど一発で掛かるのに、走行すると信号停止などでストンと止まってしまうのでアイドリングの調整かと思ったら、そちらには一切手を触れず、キャブ調整だけササッと手際よくされました。

慣れた感じでキャブ調整をされました。巨匠からよほど鍛えられた様子が伝わります。

これが適確だったようで、以来まったく止まる気配はなくなり、やはり長年扱い慣れた人はさすがです。

その後、マフラー交換という「大作業」を終えてようやく走り出したところですが、爽快な部分と困った部分、一長一短といったところでしょうか。

爽快なのは、ともかく理屈抜きに走って楽しいことで、運転そのものの喜びを満喫できます。
長いことMTから遠ざかり、安楽快適なAT車が当たり前になったことと引き換えに、運転そのもののダイレクトな楽しさの相当な部分を感覚として少しずつ忘れてしまっていたことに、あらためて気付かされました。

誰かの言葉によれば「車の運転はこの世で最も楽しい行為のひとつ」だそうで、それは充分に自覚しているつもりでしたが、実際は2CVにパチパチとほっぺたを叩かれて目が覚めた気がします。
のみならず、AT車は要するに楽でヒマなので、つい重箱の隅をつつくようにアラ探しみたいなことばかりやっている自分にも気づきました。

1本スポークのステアリングは、たしか真下に向いているはずですが、DS風に左斜めにされているあたりは巨匠のこだわりではないか?と思ったり。

シートはGSと同じく本皮に張り替えられています。ほどよい滑りがあって乗り降りがスムーズです。横幅は狭いものの縦方向は余裕があり、一方ステアリングはかなり寝ています。

乗り心地の良さはやはり特筆すべきものがあります。
通常2CVに乗るということは、表面的には盛大なエンジン音やギアのノイズ、車体のいたるところから発せられる雑音の渦中に身を置き、駆動力のON/OFFにも大きく影響を受けるので、どうしてもそのあたりが目立ちますが、たまにうねりなどがあるとふわ〜んと路面をいなしていくのは、ハイドロと同様でなかなかのものです。

ゆるい下り坂などで、ニュートラルやクラッチを切って空走させると、シトロエン特有の浮遊感が顔を出してくるのは、う〜たまらん!という気になります。
この特定の条件だけでいうなら、我が家の車の中で、最も乗り心地のやわらかなクルマです。

ducaさんのご協力で苦心惨憺の末に交換できたマフラーが静かに光っているような…。

もちろん良いことばかりではなく、現代の気密性の高い洗練された車内空間に慣れていると、なにかと音はうるさいし、快適装備は皆無、エンジンから発せられる排ガスその他の匂いが鼻につくなど、ラクではない点があることも事実。

また、受け渡し直前に動かなくなったという燃料計は、乗っていれば何かの拍子に直るのでは?という淡い期待も虚しく、頑として動く気配はなく、これも今後の課題として残ったまま。

久々のイエローバルブ

また当たり前ですが、センターロックなどとは無縁だから、ひとつひとつすべてが手動、車を離れるとなるといちいち手間を要します。
それは仕方がないし、2CVがリモコンでパシャッとロックできるようでは、却って興ざめですが…。

片やC5-acではエンジンを切ると同時にATはPになり、パーキングブレーキまでかかってしまうという親切ぶりだから、その差には激しいものがあります。
それでも、MTがこんなに痛快なものだったかと思うと、ラクなことと楽しいことは、まったくの別モノだということが歴然です。

最新のシトロエンのロゴマークの元になっている古いマークがブレーキとクラッチのペダルに。間にあるのはステアリングシャフト。

AT車のパドルシフトなどは、一向に楽しさがわからないからDレンジ以外まったく使わないのですが、やはり全身を使ってドライブに参加するMTは理屈抜きに面白く、どこかゲーム感覚でもあり少しも苦にならないのは不思議です。

すでにAT車にお乗りの方が大半を占める中、ひとりこんな気焔を吐くのもどうかとは思いつつ、まあ正直なところなのでお許しください。

なんとか動き出した2CV、…まずはこんなところです。

40年近くボディ左側を壁に寄せて保管されていたためか、塗装は左右で状態が異なっており、このようにマスキングをして夜な夜なせっせと磨きましたが、やはりポリッシャーがないと手作業では限界を感じます。左のほうがはるかにきれいです。

4月はお茶会に乗って行こうと思っていましたが、あいにくの雨模様で断念しました。

むかしあるクラブ員の方が、見知らぬ人から「これV6ですか?」と尋ねられて大笑いしたというエンブレム。

天職

昨夜NHKで放送されたドキュメント『時をかけるテレビ 池上彰 プロフェッショナル 一徹に直す、兄弟の工場』が面白かったのでご紹介。

広島県の福山市に、神の手を持つといわれる自動車整備士のベテラン兄弟の修理工場があります。
2015年に放送されたもので、取材当時、兄弟は60〜70代ですが、現在も現役の由。

車種を問わず必ず直せる工場で、長州人特有の真面目で、仕事に深い矜持があり、手慣れた仕事に安住せず、常に新しいことへの勉強も怠りません。
業界専門誌を毎月13冊も楽しみに読んでいるとか!

外観は至って地味だけど、リフトは何台もあるし、地下も掘ってあるし、なによりあらゆる機材が所狭しと整っているのは驚くばかりで、おそらく出来ないことはないのでしょう。

儲けの多くを設備や道具にまわしているのだそうで、この兄弟にとってまさに天職。
あんな工場があればなぁ…と羨ましい限りです。

車種も内外新旧一切不問、軽自動車からフェラーリ、ダンプカーまで、なんでもござれ。
シトロエンもチラッと数秒間画面に映りました。

NHKプラスで見られますので、よかったらどうぞ。

ヘンタイ呼ばわり

「それから」にいただいたコメントの中に「強力な武闘派の方」という文言がありました。

私がシトロエンに入門した1980年代のシトロエンといえば、まさにハイドロニューマティック全盛の時代。
当時はクルマに対する人々の興味や憧れも今とはケタ違いに高く、月はじめの書店にはさまざまな自動車雑誌の新号が高々と積み上げられるのが普通の光景でした。

そんな時流に乗って、多くの自動車ジャーナリストは肩で風を切り、中には、こういっては失礼だけれど、あまり丁寧な情報収集もせぬまま安易な記事を書いてはお茶を濁していた人も相当いたようで、それでもどうにかなった大雑把な時代だったのでしょう。
そんな当時でさえシトロエンはやはり異端で、その真価に着目し、熱く語っていたのは唯一カーグラだけだったように思います。

で、シトロエンは諸事において独創的であったぶん、ちょっとした記事を書くにも勝手が違ったことでしょう。
とくにハイドロニューマティックにかかわる記述は彼らなりに気を遣ったことだと思いますが、その理解はなかなか一朝一夕にはいかなかったようで、2CVが前後関連懸架であることから、ハイドロも同様に思っていた人もわりにいたようです。

オイルが全身に張り巡らされ、ハンドルもブレーキも油圧で賄うから、前後のサスペンションも連携して作動しているかのようなイメージがあったのでしょう。
これ以外にもシトロエンには、他車とは知識の流用や使い回しのきかない要素が多く、それだけ自動車誌の間違った記述も頻発したようでした。

そこに憤然と反応し、そのつど論理的な説明をつけて間違いを正し、ときに噛みつくことも辞さない一派が台頭しはじめます。
とりわけ昔のシトロエン愛好家の中には、知的レベルの高い論理派、学者、医師、建築家など少なくなく、さらにはフランス語の堪能な方などもいるから海外の書籍から直接知識を得たり、実車を手ずからバラしては、その設計思想にじかに触れ、唸ったりおののいたりしながら、その解明に無常の喜びを見出す、私設研究所みたいなものが勃興します。

彼らは、そこで得た知識や経験を蓄積し、整理し、資料や文章にまとめ上げることさ喜々としてこなしますが、チャラチャラした自動車ジャーナリストたちにしてみれば、こんな得体のしれないインテリ連中が道場破りに押しかけられるのではたまったものではなかったでしょうし、その内容においてはしっかりした裏付けがとられているから反論の余地もない。

そのつどプライドを傷つけられる出版社や自動車ジャーナリストたちは、「シトロエン乗りはヘンタイで関わりたくない、理屈屋でいちいちうるさい連中!」というようなレッテル貼りに及んだようです。
いやしくもクルマのプロを標榜していながら自分たちの不勉強を棚に上げ、間違いを正す側をヘンタイ扱いして疎んじるとは言語道断ではありますが、彼らの気持ちもまったくわからないでもなかったりします。

これがトヨタやベンツのことなら大そうマズイと思ったでしょうが、べつにあってもなくても一向構わないシトロエンなんぞのささいな間違いなど、屁理屈で因縁をつけられるような感覚だったかもしれません。
この両者は、ほとんど価値観の相容れない同士だから、「あーうるさい!こっちは忙しいんだ!」というのがおそらく本音で、その執拗な指摘の前では、内容で太刀打ちできないから「あいつらはヘンタイ!」ということで苦笑するしかなかったのでしょう。

ではあるけれど、シトロエン側の人達も、べつにメディア攻撃が目的でやっているわけではなく、ディーラーの知識や技術も脆弱で頼りにならない中、ユーザー有志が立ち上がり、自分達で研究解明するという動きにつながったものと思われます。
結果的にシトロエンの斬新かつ独創的な設計理念を、知れば知るほど感銘を新たにし、ますます入れ込んで、研究の手が休まらなくなったのだろうと思います。

そんな彼らが、日本のエセ専門家のずさんで間違った記述を目にしたとき、まあ黙ってはいられなかったのも頷けます。
当時はネットもなく、自動車雑誌は唯一の情報源であり、執筆はプロの専門家なのだから、読者は紙面に書かれていることを信じて受け入れていたわけですから、そこに間違いを書かれたのでは当然困るわけで、その影響を考えれば、たしかに罪深いことではありますね。

ただ、武闘派の動きも過激化するにつれ、シトロエン愛好家の中でもいささか孤立的な存在になっていったのも事実で、一部にはそうでない普通の文民的ユーザー?のことを一段低く見るような傾向を帯びてきたのは、さすがにちょっと行き過ぎだったようです。
とはいえ物事に功罪両面あるのは世の常で、この武闘派のお歴々のおかげで、多くの正しい知識が広められ、整備や修理における実践の扉が開かれたことも事実でしょうから、先人の奮闘には一礼すべき価値はありそうです。

そして現在、かくいう私もCCQ内で武闘派と言って差し支えない御方のお力添えを得ながら、2CVのマフラー交換などが進んでいるわけですから、その恩恵に浴して感謝しているわけです…。

上記のお話には、添える写真もないので、わざわざ書くほどもないオマケを。
買い物でイオンに行ったら、レジ近くの床にはこんなものがペタペタ貼り付けてありました。
「こちらですよ」という意味なのはわかるけど、なーんか気になりました。

それから

車検証入れの中。80年代のなつかしいシトロエンの世界がムンムンです。

漱石のようなタイトルですが、2CVは、なんとか車検と登録を済ませて、ともかく我が家にやって来ました。

しかし、エンジンの調子も良いとは言い難く、信号停止でストール気味だし、ブレーキの効きもイマイチ、マフラーは長い放置期間が祟ったのかサビサビだったり。
一定の整備はやっていただいたようですが、ナンバーがないため試運転ができなかったこともあり、路上復帰にはもう少々かかりそうです。

いっぽう、心配していた運転については、10分も乗ると昔の感覚がスルスルと蘇ってきて、クラッチ操作も独特なシフトパターンも思いの外すんなりできたのはホッとしました。若いころにやったことは、やはり身体が覚えているんですね。

で、20年以上ぶりに2CVを自分のガレージに入れてみてまず驚いたことは、C5エアクロスとのあまりのボディサイズの違いで、これは想像以上でした。

全幅は185cmに対して、2CVはわずか148cmと37cmも狭いし、車輌重量は車検証によれば570kgとほぼ3分の1。
そんな小さなナリであるにもかかわらず、存在感は強烈で、フラミニオ・ベルトーニの造形は、どこから見ても破綻がなく完成されており、車ではあるがオブジェでもあると感じます。
でもオブジェと言っても、お高くとまったものではなく、見るなり人を笑わせる愛嬌にあふれたオブジェなのです。

納車された日の夕刻、近所をちょっと回ってみたら、いきなり近くの女子校の生徒の一団に出くわし、好奇の目と同時にキャキャキャッというかん高い奇声を浴びてしまいました。
今どきは、フェラーリやマクラーレンでもあまり人目は引かず、大抵は周囲も無関心だけれど、2CVは人の視線を向けさせることにかけてはあきらかに昔以上で、とくに赤黒のチャールストンは塗装も大げさで時代がかっており、これは相当な覚悟を要するなぁと思いました。

配線などが気になって、思い切り作業ができません。

まずはマフラーの交換が先決のようで、それについては比較的近くにお住まいのTさんが鋭意協力してくださるそうで、なんとも心強い限りです。
さしあたり自分でできることといったら、せいぜい掃除をするぐらいなので、黒い汚れがどんよりと堆積していたエンジンルームを、三夜にわたり1〜2時間ずつかけてせっせと磨いてみました。
これでも、かなりきれいになったのですが、掃除前の写真を撮っておくべきだったと後悔しているところ。

トランクには軍手やオイルフィルターなどいろいろ入ったケースがありましたが、それがなんとTINTINの2CV型であるのにびっくり。

それと、部品のオーソリティであるSさんが調べてくださったところでは、フランス/イギリスには2CV専門のパーツショップがあり、その品揃えたるや異様なほど充実しており、すべてのパーツを集めたら新車が一台出来あがるほどで、実際あちらではそうやって組み上げることで、新車を作って販売している例もあるとか。

C5/C6などで、パーツ調達にご苦労をされているのをいつも目の当たりにしているだけに、この点は本当に驚くしかありませんし、おまけに2CVのパーツはどれもお安いので非常に助かります。
将来に向けて本当に安心して乗れるシトロエンは2CVかもしれず、皆さんもおひとついかがですか?

おまけ。ガレージのビバンダムをまわれ右させて、2CVとの記念撮影。