CX登場

3月のお茶会はCX登場という思いがけないサプライズでした。

往年の妥協なきビッグシトロエンで、サイズは肥大する現代の車に比べたら中型車ぐらいに過ぎませんが、かつてのフラッグシップだけあって圧倒的な存在感。同色に再塗装されているという塗装も非常に素晴らしく、白いボディと薄いブルーのファブリック内装とのコントラストはまさにフランスのセンス。

外観同様かつて宇宙船的ともいわれた、これぞCXとも云うべきボビンメーター周辺は、40年前に夢見た未来を想起させるようでむしろロマンティックな印象。写真では確認しづらいですが、上部にはキューブ状の警告灯が左右一列にびっしり並びます。

地上に舞い降りた白鳥──1985年式 25 Pallas IEは御年38歳。
前年までは24のIE、85年は25(2500cc)になるものの途中からパラスがGTiとなり、さらに翌年からはシリーズ2へと変化していくので、その点でも貴重といえる一台。
右上の謎の「福岡」の文字が消してしまいたいほどミスマッチ!

何の変哲もないエンブレムですが、そこにえもいわれぬ品格が感じられます。

かつてCXを2台乗り継いだKさんによるアドバイスが延々と続き、Hさんもメモを取るなどずいぶん参考になったようでした。

ついに路上を走りだした宇宙船。
イエローバルブの光が前方を照らして異次元感はますますアップ。シートに腰を下ろすと一般的な家具のソファーよりもやわらかいフワフワシートにまず驚かされ、車体が動き出した瞬間から浮遊感に包まれます。
エンジン始動後の車体の上がりもサーッと潔く、その動きにはハイドロニューマティックであることのプライドのようなものを感じます。

慣れない雪

今年の寒波はいつもとはいささか違っているようで、厳しい寒さが続いています。
普段なら雪とはほとんど縁のない福岡でも、24日は夕方から一時は強い風雪が吹き荒れました。

写真はたまたま外出していて、帰宅中の信号停車中に撮ったものですが、福岡市内でこれほど道が白くなるのはそうはありません。

雪の量はさほどでもありませんでしたが、これまでなら降ったらすぐにベチャベチャになるのに、今回は気温が氷点下だったせいかサラサラで溶けないので、道はみるみる白くなるという珍しい光景でした。

道路の白線も見えないし、北国のように雪に慣れていないのでみんなビビっているようで、おそるおそる30〜40km/hで走っていましたが、なんとか無事に帰り着きました。

オールシーズンタイヤも一考の余地ありと思わせる経験でした。

うわ

いつごろだったか、シトロエンのトートバックが色がきれいで欲しかったのに出遅れてしまい、数カ所のディーラーに問い合わせしたときは、どこも完売したばかりで一つもなく悔しい思いをしました。
関東のTAMAさんにも「見かけたら買っておいて欲しい」と頼んではみたものの、いろいろあたっていただいたようですがダメでした。

それが、先日ひょっこり郵便受けに入っており、なんと蒲郡FBMに参加されたKさんが現地で売られていたものを買ってわざわざ送ってくださったとのこと。
思いがけないサプライズにうれしい悲鳴を上げました。
大願成就ではありますが、もったいなくて使う勇気がありません。


ついでにもうひとつ。
先日ブックオフに立ち寄ったとき、私はこの手の店では車の本や雑誌を見ることはないのですが、たまたま入荷したばかりなのか、ENGINE誌がまとめてワゴンに載せられて通路に放置されていたのでチラッと目をやると、大半はドイツ車やスポーツカー特集などですが、そこに一冊だけ背表紙に「パリとクルマ」という文字を発見。

パラパラやると、きれいな写真がいろいろあるけれど、2014年の雑誌だからなぁ…と思っていたら、なんと110円!なので買ってしまいました。
ところが、8年前とはいえ、さほど古さを感じさせないどころか、むしろ近ごろの元気のない雑誌よりどのページも生き生きして全体が輝いているのはちょっとしたショックで、それが新鮮で楽しめました(EVのような忌々しいものがないのも気分がよろしい!)。
何事も情熱があれば、自然に魅力が宿るということでしょうか。

(左)閉鎖されたオルネー工場跡にシトロエン博物館があり、非公開ながらその所有台数はおよそ600台とのこと!
(右)シトロエン専門のミニカー店があるなど、やっぱりアチラは根っこが違います。
(下)夏場はこうしてエンジンを冷やしているそうで、いちいちがキマっている本場ならではの光景。